宇沢弘文先生の最新にして最後の著作が刊行された。それは、『宇沢弘文の経済学 社会的共通資本の論理』日本経済新聞出版社だ。これは、これまでの本から既出の原稿を寄せ集めて再編集されたものではない。多少の条件付きではあるが、正真正銘の新著である。ちなみに、ぼくが解説を書いているので、その点からも是非、手にとって欲しい本である。 宇沢弘文の経済学 社会的共通資本の論理 作者: 宇沢弘文出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2015/03/13メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るこの本は、2005年3月に、先生が長年顧問をされていた日本政策投資銀行・設備投資研究所の設立40周年を記念して、私家版として刊行された原稿を編集・改題したもの。だから、誰の目にも触れたことのない新著ということではないが、ごく少数の関係者だけが読むことのできた秘蔵の原稿という意味では、貴重な掘り起