(第2部) 森田:ここからは三つめの論点であるサイエンスコミュニケーションの話に移りたいと思います。 第1波以降、にわか専門家のような人たちが世論に対して影響力を持ちました。これが危ないとか、専門家が言っているのは限られた部分だけだとか、視聴率に最も結び付くというということからもしれませんが、ずいぶん過激なことも言っていました。ただ、それで世論がある程度形成されてしまい、それを受けて政治家も反応するという状態が生まれたのも事実です。 不安なときに頼れる情報を 西浦:国民に流布されるべき科学的情報というのは、パンデミックが起こるとどうしても百家争鳴状態になります。何が正しいか判別しにくくなるからです。今、私が関わっている新しいプロジェクトではそういったあたりを改善できないか、民放テレビ局出身の科学コミュニケーションの専門家志望者も交えて相談しています。具体的には、報道される科学的情報をある程