宗教学者が政治に介入するようになった経緯 ご存知の通り、シーア派の大国イランではウラマー(イスラム宗教学者)の権威が非常に高く、世俗の長である大統領の他に「最高指導者」という職があり高位のウラマーが就くことになっています。 ただし、本当であればウラマーではなく、イマーム(信者共同体の最高指導者)が国を治めるべきとされています。しかし最後のイマームであるムハンマド・ムンタザル(マフディー)が9世紀にどこかに「お隠れ」になっている現在、ウラマーが国を代理で治めるという発想です。 しかしどこまでウラマーが法制定や世俗の統治に関与すべきか、宗教学者同士の長い議論があり、現在の政体が生まれたのです。 1. ホメイニ師のイスラム革命 現代のイラン・イスラム共和国は、 1978年のイラン・イスラム革命によって前王朝パフレヴィー朝を打倒してできた政体です 石油利権によって莫大な富を得たイランは、国王モハン
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