畑村洋太郎東大名誉教授(70)は「失敗学」、つまり、何が間違っていたかを突き止める専門家として知られる。その実績を買われ、福島第1原発危機の原因解明を託された。24日、同原発の事故原因を究明する第三者機関「事故調査・検証委員会」の委員長に指名されたのだ。 仙谷由人官房副長官は記者会見で、同委が事故対応の調査のほか、日本の原子力行政の「歴史的経緯に踏み込まざるを得ない」と述べた。 与えられた任務はまさに畑村氏の得意とする分野にある。同氏が運営する特定非営利活動法人「失敗学会」は、過去の失敗に学び、再発を防ぐ方法を研究している。同氏はまた、科学技術振興機構のプロジェクトで構築した「失敗知識データベース」を公開している。失敗学会は数年にわたり、原発事故に関する過去の分析も集めた。福島第1ほか東電の原発の例もある。 失敗学は、2000年の「失敗学のすすめ」出版をきっかけに国内で強い支持を得た。サク