国会で安定的な皇位継承に向けた皇族数確保策の議論が大詰めを迎えている中、読売新聞社が15日付朝刊で提言を発表した。「安定的な皇位継承の確保は先送りできない」とした問題意識は共有するが、かえって日本の皇統の断絶に向かう内容で賛同できない。産経新聞社の見解を明らかにしたい。 読売は、女性宮家の創設と、女性皇族の夫と子も皇族にするよう提言した。同じ日の社説は、女系天皇の可能性を排除しないよう求めた。これらは、長い皇室の歴史で一例もない皇位と皇族の「女系継承」を認めて皇統を壊してしまう内容で、極めて問題がある。 天皇は国の始まりから現代まで日本の首座にいる君主である。君主にとっては、人々が在位に納得する正統性を帯びることが大切だ。歴史や伝統、先例に基づく長い継承の積み重ねが、覆すことをためらわせる正統性を育む。 日本が現存する最古の国とされるのは天皇が続いてきたからだ。初代神武天皇から第126代の
