『消えた都道府県名の謎 (イースト新書Q)』というマニアックな本を出したら好評だったので、姉妹編で 『消えた市区町村名の謎 地名の裏側に隠されたふるさとの「大人の事情」』 (イースト新書Q)を刊行したことは、すでに「消えた1万市町村名の謎を追う」というタイトルで紹介した。 今日は、そのなかで扱った郡について紹介したい。 郡は律令制の空洞化に伴い、正式の行政単位ではなくなった。しかし、もともと河川流域などを考慮した自然の摂理にあったものなので意識の上では帰属意識も強く根付いたもののだった。また、幕府が領地を与えるときも、郡の単位で与える事は多く、藩内の統治単位としては重要だった。 そして、明治11年(1878年)に大区・小区制の行き詰まるののち、郡を復活させ、町村制を再活性化させることが図られた。 同時に、主要都市には区が設けられ、その区域は伝統的な郡から離脱し、これが、市町村制ができたのち