いつの時代も、教育は多くの親の最大関心事である。学歴なんか無用だという意見もあるものの、「できれば東大など一流校に」という昔ながらの願いを持つ人もいまだに少なくない。 東大では最年少の31歳という若さで准教授となった大澤昇平さんは、AIの研究で注目されている新進の研究者。しかし、彼の准教授への道は、通常とはかなり異なるルートを経たものだ。 そもそも彼は、「東大」には新入生として入学していない。進学校も卒業していない。センター試験などいわゆる普通の大学試験を経ず、高専から大学(筑波大学)に編入、さらに東大大学院へと入っているのだ。このように説明すると、「学歴ロンダリングじゃないか」と揶揄する向きもあるかもしれない。が、そうではない。 彼の選んだルートには必然と戦略があった。それらはAI時代における教育を考える上で大きな示唆を与えてくれるものだ。最近、初めての著書『AI救国論』を上梓した大澤さ