本日は、ロバート・カプランの『南シナ海 中国海洋覇権の野望』をご紹介します。表題通り、尖閣諸島がある東シナ海とならび、いやそれ以上に熱い舞台となっている南シナ海がテーマになっています。 南シナ海は、中国、フィリピン、ベトナム、台湾、マレーシア、ブルネイが領有権を主張し合う複雑な海です。スプラトリー (南沙) 諸島とパラセル (西沙) 諸島といった小島や環礁をめぐって、各国の主張は入り乱れています。 (南シナ海で各国が領有を主張する範囲) とりわけ、ベトナムとフィリピンが中国と激しくぶつかりあっており、すでに死傷者が出る事態にまでエスカレートしています。 本書は、“カプランらしい”アプローチで、南シナ海問題を分析したものです。“らしい”というのは、彼のよく用いる、世界観を形づくる歴史や地理を背景に、各国の軍事力・経済力を織り交ぜながら現状を分析し、将来を展望していく手法です。結果として、読み
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