国会の会期末が近づき、7月の参議院選挙に向けて主要政党の候補者が出揃いつつあります。永田町界隈の関心は、サミットで出される玉虫色の宣言を一つの方便として、消費増税の延期を発表し、国民に信を問うために衆議院を解散する衆参同日選挙のシナリオです。まあ、解散カードは効力が最大化される瞬間に切られるのでしょう。いずれにせよ、今後数年の日本政治の方向性を決める国政選挙が迫っていることは間違いありませんから、山猫日記では重要と思われる論点について改めて綴っていこうと思います。 あらかじめ断っておきますが、論点シリーズといっても、各党が公約やマニフェストに掲げている政策の字面を紹介することが目的ではありません。公約集に「作文」を乗せることは誰でもできることであり、ありていに言えば信用に値しません。特定の政策課題がどのような歴史的文脈の中に存在し、それぞれの政党の中でどのように位置づけられてきたかを構造的