前回のコラムでは,デジタル家電の産業構造がモジュラー化/水平分業化/コモディティー化していく中で,日本企業がどのようにしたら競争力を上げられるかについて考えてみた。そのポイントは,米Intel社のモデルを日本流にアレンジすることのようだ。 その成功例として三洋電機のDVD用の光ヘッド・ビジネスについてとりあげた。同社は光ヘッドの高度な技術ノウハウをブラックボックス化したプラットフォームを構築し,それを中国などのアジア企業に広く提供することで高いシェアを獲得することに成功した。完成品と基幹部品の両方を手掛けることの多い統合型の日本企業が,その強みを生かして基幹部品に軸足を置くことで競争力が上がるという一つの成功パターンである。 続いて本稿では,サプライチェーンのレイヤーを上流にさかのぼって,プロセス型の産業構造を持つ基幹部品やさらに上流の基幹部材そのものが水平分業化する状況について,どうした