ブックマーク / www.anlyznews.com (93)

  • 左派的な人たちが日銀に金融緩和を求めても

    マネックス証券チーフエコノミスト村上尚己氏の「心優しい左派的な人たちこそ日銀に金融緩和を求めなければいけない理由」について、シバキ系リベラルとしても違和感を感じたので言及しておきたい。全体のパイを押し上げる経済成長が重要だとして、日銀の金融緩和の効果を過信しすぎでは無いであろうか。 既に日銀はゼロ金利と言う金融緩和を二十年近く行っており、これ以上、何かするとすると非伝統的な金融政策と呼ばれる部類の“緩和”をするしかない。この非伝統的な金融政策の効果は、はっきり言って良く分かっていない。既に行っているひたすら国債を買う量的緩和は効果が無さそうだ*1が、インフレ目標や名目GDP水準目標は何かしらの効果が期待できると思われる(Woodford(2012))。 非伝統的な金融政策が成功すると何が起きるかと言うと、インフレ期待が上昇して実質金利が下がりゼロ金利制約から脱出できることと、価格調整の促進

    左派的な人たちが日銀に金融緩和を求めても
    tdam
    tdam 2013/02/17
    統計の過信も×。分母分子に含まれない「就業意欲喪失者」がリフレで市場に帰ってくるなら、現在の失業率は過小評価ということ。またOECDのNAIRUは高すぎて怪しい。"便益と弊害を比較"できる精度確度の統計が欲しい。
  • バブルと言う前に株価純資産倍率を見てみよう

    ► 2024 (11) ► 3月 (7) ► 2月 (3) ► 1月 (1) ► 2023 (71) ► 12月 (7) ► 11月 (2) ► 10月 (4) ► 9月 (10) ► 8月 (6) ► 7月 (6) ► 6月 (8) ► 5月 (5) ► 4月 (2) ► 3月 (6) ► 2月 (9) ► 1月 (6) ► 2022 (88) ► 12月 (3) ► 11月 (3) ► 10月 (7) ► 9月 (5) ► 8月 (9) ► 7月 (8) ► 6月 (9) ► 5月 (8) ► 4月 (8) ► 3月 (10) ► 2月 (11) ► 1月 (7) ► 2021 (64) ► 12月 (5) ► 11月 (6) ► 10月 (9) ► 9月 (4) ► 8月 (7) ► 7月 (10) ► 6月 (2) ► 5月 (3) ► 4月 (3) ► 3月 (6) ► 2月 (

    バブルと言う前に株価純資産倍率を見てみよう
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    tdam 2013/02/17
    次の期末決算が良ければ、逆にPERは下がる。
  • 国家社会主義者・安倍総理の賃上げ要請

    ► 2024 (11) ► 3月 (7) ► 2月 (3) ► 1月 (1) ► 2023 (71) ► 12月 (7) ► 11月 (2) ► 10月 (4) ► 9月 (10) ► 8月 (6) ► 7月 (6) ► 6月 (8) ► 5月 (5) ► 4月 (2) ► 3月 (6) ► 2月 (9) ► 1月 (6) ► 2022 (88) ► 12月 (3) ► 11月 (3) ► 10月 (7) ► 9月 (5) ► 8月 (9) ► 7月 (8) ► 6月 (9) ► 5月 (8) ► 4月 (8) ► 3月 (10) ► 2月 (11) ► 1月 (7) ► 2021 (64) ► 12月 (5) ► 11月 (6) ► 10月 (9) ► 9月 (4) ► 8月 (7) ► 7月 (10) ► 6月 (2) ► 5月 (3) ► 4月 (3) ► 3月 (6) ► 2月 (

    国家社会主義者・安倍総理の賃上げ要請
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    tdam 2013/02/11
    "賃金水準と失業率はトレードオフの関係にあると考えられており、期待インフレ率が高まり実質賃金が下がれば失業率が下がると考えられて""期待インフレ率が上昇しても、名目賃金を引き上げたら失業率が改善しない"
  • クルッグマンは金融政策に効果が無いとは言っていない

    ノーベル賞経済学者のクルッグマンが日経済について短いコラムを出している(NYTimes)。そしていつもの事*1なのだが、経済評論家の池田信夫氏が誤読している(BLOGOS)ので、問題を指摘したい。 クルッグマンのコラムは要約すると次のような内容だ。日経済の生産年齢人口あたりの経済成長率は年率1.2%と悪くは無いが、ゼロ金利制約にあるので完全雇用GDPに達していない。ゼロ金利制約にはまっているのは、少子高齢化による生産年齢人口の減少で投資需要が少ないから。問題を解決するには期待インフレ率を高めるしかなく、財政・金融政策を行う必要があるが、金融政策が適切ではなかった。 財政・金融政策の部分は拙訳をつけよう。 But Japanese policy has never sought to achieve this. Deficit spending has put part, but onl

    クルッグマンは金融政策に効果が無いとは言っていない
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    tdam 2013/02/07
    "経済評論家の池田信夫氏が誤読""「金融政策の効果には否定的」と言うのは、ミス・リーディング" ↓池田氏の元記事からして金融政策全般を指しているから、ブログ主の指摘は正しいでしょう。定義に逃げるのは苦しい。
  • 2012年初頭から期待インフレ率が上昇し始めた理由

    為替レートの変動が大きい一方で国債金利が安定していることから、外国人と日人でアベノミクスの効果が異なると言うJ.P.モルガンの菅野雅明氏の見解に対して、ノーベル賞経済学者のクルッグマンがブレーク・イーブン・インフレ率の変化を示しつつ、期待インフレ率が上昇していると反論している(NYTimes)。しかし、さすがにアベノミクスが2012年初頭から予測されていたと言うのは、無理がある。 ブレーク・イーブン・インフレ率が、期待インフレ率を示す最も手軽で確実な指標なのは間違いない。これは名目利回りの通常の国債と、実質利回りの物価連動債の利率の差をとったもので、日では2004年から2008年まで発行されていた。以下が10年物国債によるブレーク・イーブン・インフレ率だ(JAPAN BOND TRADING Co., Ltd.)。 確かにクルッグマンの言う通り、ブレーク・イーブン・インフレ率、つまり期

    2012年初頭から期待インフレ率が上昇し始めた理由
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    tdam 2013/02/07
    "消費税率が上がれば、消費者物価指数(CPI)が上がる。CPIが上がれば、物価連動国債の償還価格が上昇""消費税率の引き上げが決定されれば、期待インフレ率が上がってブレーク・イーブン・インフレ率が変化するのは当然"
  • 米国の著名経済学者に聞く - 日本の長期デフレを日銀は防げた?

    「日の1997年から*1の持続的デフレーションは、日銀が異なる金融政策を採用する事で回避できたか?」と言う質問に、著名経済学者が投票で答えていた(IGM Forum)。 「異なる金融政策」が何を意味するのかが問題だが、結果は同意する人が多くなっている。だが、これを根拠に量的緩和規模が不足していたと騒ぐのはまだ早い。 主に賛成している人々が、ショート・コメントをつけているので見てみよう。 Strongly Agree - Sufficiently extreme monetary policies could have created inflation. The point is whether that would have helped much. Perhaps.(強く同意 - 十分極端な金融政策はインフレーションを作り出すことが出来たであろう。問題は、それが役立ったか否かだ。恐ら

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    tdam 2013/02/04
  • 村上尚己─池田信夫論争にあるWoodfordの主張について

    アベノミクスに関してのエコノミストの村上尚己氏の主張を、経済評論家の池田信夫氏が批判しており、そこで池田氏が村上氏にWoodford(2012)を読めと言っている。量的緩和の無効性を示す前半部分はともかく、後半部分は村上氏の主張をサポートしかねない部分も多々あるのだが、池田氏はそこは読んでいないのであろうか。 Woodford(2012)ではゼロ金利制約下の量的緩和が機能しなかった事も指摘しているが、結論部分では財政政策と名目GDP水準目標のポリシー・ミックスを主張している。名目GDP水準目標の導入は、時期尚早の利上げが行われないことを市場に約束する目的だとP.87に書いてあり*1、時間軸効果を狙ったものだ。差異はあるもののインフレ目標政策と狙いは同様であり、ウッドフォードはインタビューで、米連銀の政策は支持しており(Washington Post)、名目GDP水準目標はインフレ目標からの

    村上尚己─池田信夫論争にあるWoodfordの主張について
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    tdam 2013/02/02
  • 公共投資は効果薄で、減税は無駄

    なぜか景気対策には公共投資の拡大が有効と言う主張と、公共投資よりも減税が効果があると言う主張を良く見かける。さて、どちらが真実なのであろうか? 閉鎖経済と非リカード的家計を前提にしたケインズ経済学であれば、公共投資の方が効果が高い。日は完全な開放経済でもないし、好景気で財布の紐が緩くなる人もいるので、そう変な話では無いであろう。しかし、実態は見るべきだ。 渡辺・藪・伊藤(2008)の構造VARによる分析によると、租税ショックと財政支出ショックの経済への影響は1987年以降は大きく低下し、租税ショックは効果を持たなくなった。公共事業は効果薄で、減税は無駄。 ゼロ金利下だと財政支出の効果が高いと言う理論的な議論もあるのだが、小渕内閣のときに公共投資を拡大したものの失業率は上昇していったし、小泉内閣以降に公共投資を削減したものの失業率は改善していった。景気を左右できるほどの力は無いように感じる

    公共投資は効果薄で、減税は無駄
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    tdam 2013/01/30
    "租税ショックと財政支出ショックの経済への影響は1987年以降は大きく低下し、租税ショックは効果を持たなくなった。公共事業は効果薄で、減税は無駄。" どちらもケインズ派政治家・官僚の過大評価があるでしょうね。
  • アベノミクスが第一段階を突破 ─ テイラールールの変更が中日新聞に理解される

    ► 2024 (11) ► 3月 (7) ► 2月 (3) ► 1月 (1) ► 2023 (71) ► 12月 (7) ► 11月 (2) ► 10月 (4) ► 9月 (10) ► 8月 (6) ► 7月 (6) ► 6月 (8) ► 5月 (5) ► 4月 (2) ► 3月 (6) ► 2月 (9) ► 1月 (6) ► 2022 (88) ► 12月 (3) ► 11月 (3) ► 10月 (7) ► 9月 (5) ► 8月 (9) ► 7月 (8) ► 6月 (9) ► 5月 (8) ► 4月 (8) ► 3月 (10) ► 2月 (11) ► 1月 (7) ► 2021 (64) ► 12月 (5) ► 11月 (6) ► 10月 (9) ► 9月 (4) ► 8月 (7) ► 7月 (10) ► 6月 (2) ► 5月 (3) ► 4月 (3) ► 3月 (6) ► 2月 (

    アベノミクスが第一段階を突破 ─ テイラールールの変更が中日新聞に理解される
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    tdam 2013/01/30
    "『ゼロ金利以下には金利を下げられないから、物価2%になるまで金利は上げません、という時間を使ったいわばマイナス金利なのさ』" 「マイナス金利」の誤用はさておき、実質でもマイナス金利になるとは限らない。
  • 日本の賃金水準の変化を確認する

    バブル崩壊から長い間デフレだった印象があるかも知れないが、消費者物価指数で見たデフレ傾向が明らかになるのは1999年だった。この時期は物価の下落も目立つのだが、失業率の上昇や金融機関の不良債権問題も顕在化していた。1997年に3.4%だった失業率が1999年に4.7%まで上昇し、2002年に5.4%になるまで不況が悪化する。 この『デフレ』を、需要喚起型イノベーション不足による企業業績の悪化から雇用水準を守るために、労働者が賃金引下げを受け入れたとする説があるそうだ。需要喚起型イノベーション不足がデフレの原因と言うのはあるかも知れないし、欧米よりも賃金の硬直性は少ないのかも知れないが、雇用水準が守られているようには思えない。 賃金水準はどのように変化したのであろうか。連合が賃金水準の推移のデータを公開してくれているので、見てみよう。 1999年以降に賃金の下落は見られるが、所定内賃金の下落

    日本の賃金水準の変化を確認する
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    tdam 2013/01/28
    "OECD Statisticsの平均年間賃金と平均実労働時間から、時給換算賃金を計算してみると、1998年~2003年で、名目値で4.3%の下落が見られる一方で、完全失業率が急上昇しているのに、実質値でほぼ変化が無い(0.4%上昇)"
  • デフレの原因は名目賃金の低下である? ─ 内生変数では?

    経済評論家の池田信夫氏が「デフレの原因は名目賃金の低下である」と主張している。吉川洋氏の「デフレーション―“日の慢性病"の全貌を解明する」の表紙の写真があり、文中に唐突に「著者もいうように」と出てくるので、吉川氏の主張なのかも知れないが、池田氏のエントリーからは根拠が良く分からない。 1. 名目賃金は内生変数 マクロ経済モデル、例えば標準的なRBC理論で考えると、外生的に与えられるのは、生産関数、効用関数の形状と、全要素生産性と人口ぐらいになる。賃金は内生的に定まるので、池田氏が主張するように硬直性が無いのであれば、何かの原因にはなりえない。 2. 浜田氏は失業率が高いと判断している さらに指摘しておくと、著名マクロ経済学者の浜田宏一氏の名目賃金の議論を曲解している。浜田氏が「名目賃金はむしろ上がらないほうがいい。名目賃金が上がると企業収益が増えず、雇用が増えなくなるからです」と言ってい

    デフレの原因は名目賃金の低下である? ─ 内生変数では?
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    tdam 2013/01/27
    "教科書的なミクロ経済学にはなるが、実質賃金と失業率がトレードオフの関係があると思われるので、構造失業率よりも実際の失業率が高ければ、浜田氏の主張は実証的な裏づけがある事に" 構造失業率も徐々に増加か。
  • 日銀の非伝統的金融政策の推進を受けて注目すべき指標

    日銀政策決定会合で、事前の噂どおりに、インフレ目標政策が導入され、資産買い入れ方式が変更されることになった(日銀行)。インフレ目標値に近づくまでは、長期国債などの金融資産を買い切り続ける事になる。非伝統的金融政策に“思い切って”舵を切った。 学術的な背景としては、インフレ目標政策はKrugman(1998)*1、買い切りオペに関してはAuerbach and Obstfeld(2005)を持つ事になる。インフレ目標を定めることで、将来の金融緩和の継続を約束し実質金利を低下して投資を促進しつつ、債券の買い切りオペで政府のシニョレッジ獲得を促進して行き、インフレ圧力を増す事になる。 1. メリット/デメリットは議論がある 問題が無いわけでは無い。金利上昇局面になれば、中央銀行のバランス・シートが毀損する事により、債券オペに限界が出るかも知れない*2。また、ゼロ金利下ではWallace(198

    日銀の非伝統的金融政策の推進を受けて注目すべき指標
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    tdam 2013/01/27
    "見るべき指標としては、社債や長期国債の金利や、国債オペの入札状況、銀行融資残高、企業部門の資金余剰額(もしくは民間固定資本形成)など"
  • 萎んでいくアベノミクス

    一日でアベノミクスの正体が随分と明らかになってきた。日銀の“金融緩和”はインフレ目標2%が導入されたものの、フレキシブルなもので政府からの強制能力が低く、国債買入の拡大が発表されたものの現時点では中身は現状維持に近く*1、財政出動は2013年度から事実上の緊縮に入る*2ため、2012年度補正予算の7.8兆円の財政赤字拡大に留まる*3ようだ。 裏切られたと思うか、安心したと思うかは人によるであろう。また、白川日銀の粘り勝ち*4とも、後日に政府と日銀が責任を押し付けあう種を残した*5とも論評されている。「アベノミクスの行き先」でこの展開を予想していて、「りふれ派の社会的機能について考える」で急進的なリフレーション政策は政治的影響力を持たないと主張していた私としては一安心だ。 ところで参院選挙を意識してか安倍総理の自分が日銀を動かしたアピールが強いので、日銀の政治的独立性が損なわれた印象がある。

    萎んでいくアベノミクス
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    tdam 2013/01/23
  • CPIの上方バイアスに関して

    インフレーションの議論に欠かせないのは、インフレ率の測定だ。卸売物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)などの指標があるが、日銀はCPIをベースに色々と考えているようだ。 ところがこのCPIがインフレ率の上方バイアスが0.5~1%ぐらいあると主張する人々がいる。過剰にインフレを評価していると言うことだ。当であろうか? 1. 消費パターンは変化し、財の品質は向上する どういう事かと言うと、CPIは平均的な消費者の購入する財(消費バスケット)を考えて物価指数を計算するのだが、価格が変化したら購入する財も変わる(代替の弾力性)し、同じ財だと思っていてもPCやケータイのように品質が向上する(品質変化・新製品効果)こともある。 日では5年ごとに改訂されるのだが、基準年からだんだんとバイアスが入ってくるわけだ。白塚(2000)での議論では、品質変化・新製品効果が大きいらしい。確かに目覚しい速度

    CPIの上方バイアスに関して
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    tdam 2013/01/12
    「固定CPI」より代替バイアスの小さい「連鎖CPI」でさえも「品質変化・新製品効果」はほとんど考慮されていないので、"0.1ポイント程度"は過小評価では。 第一生命の研究も→ http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/news/pdf/nr2003_33.pdf
  • 池田信夫がリフレ派に転身!?

    経済評論家の池田信夫氏がWoodford(2012)の一部を抜粋しつつ、名目GDPターゲットの設定に賛成だと言っている(BLOGOS)。当に中身を読んだのか疑問なのだが、池田信夫はリフレーション政策推進派に転身したようだ。「景気対策なんて意味がない」と言っていたのに(関連記事:景気対策なんて意味がない?)。 Woodford(2012)論文はモデルも計量も出てこないサーベイになっているので、特にテクニカルと言うわけではないが、分量は多いので最終章の4 Concluding Reflectionsを読めば良いと思う。そこではゼロ金利からの脱却方法として、水準で名目GDPターゲットを設定し、財政政策を併用する事を推奨しており、さらに不動産担保証券(MBS)などの危険資産の購入スキームも比較的有効としている。 財政政策と金融政策のポリシーミックスはIS-LMモデルで言える事とほぼ同一で、また景

    池田信夫がリフレ派に転身!?
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    tdam 2013/01/08
    "ゼロ金利からの脱却方法として、水準で名目GDPターゲットを設定し、財政政策を併用する事を推奨""危険資産の購入スキームも比較的有効""池田信夫氏は財政・金融政策は効果が無いと批判していたのに、主張を突然に変更"
  • 生活保護制度とベーシックインカムと負の所得税の違い

    『ベーシックインカムは「愚者の楽園」』『ベーカムは「愚者の楽園」追記』で橘玲氏が、産業革命勃興期に英国で実施されたスピーナムランド法の経験を元に、ベーシックインカムを否定している。しかし、批判は妥当とは言えない。 現在の生活保護制度の方がスピーナムランド法に近くなっており、ベーシックインカムは生活困窮者のインセンティブ・メカニズムにも考慮しているからだ。分かりづらい所もあるので、生活保護制度とベーシックインカム、そして負の所得税について違いをまとめてみた。 1. 生活保護制度とその問題点 スピーナムランド法は端的に言えば、所得が生活扶助額以下の困窮者に生活扶助額を与える、現在の日で行われている生活保護に近い制度だ。大雑把な例を図示する。 実線が手取り、破線が所得税や生活扶助費が無い状態を表す。実際の制度は、家族構成や居住地域資産の有無等で生活扶助を受けられる所得が変化し複雑だが、基的な

    生活保護制度とベーシックインカムと負の所得税の違い
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    tdam 2013/01/06
  • 「日本国債」の本当の問題

    NHKスペシャル「日国債」の当の問題』の感想文で、政府債務は問題ないと主張しているエントリーを見かけた。元の番組の構成が悪いのだろうが、無限に国債を発行できそうな論調になっている。以下の事ぐらいは認識して欲しい。 今の公債残高の増加ペースでは、遅かれ早かれ破綻する可能性がある*1 破綻とは、高インフレ(e.g.年率10%以上)を誘発すること*2 高インフレは決済機能や資蓄積を阻害するため、経済活動を阻害する*3 少子高齢化の影響で経常収支が赤字になれば、破綻リスクは高まる*4 1997年の消費税引き上げ後の税収減は、同時期に行われた所得・法人減税の影響が大きい*5 純債務で見ると累積債務が少ないように主張しているが、政府資産に収益を生む、民間で言う資産はほとんど無い*6。 最後は政府が増税してでも通貨価値を守る、つまりインフレを抑制すると言う安心感があれば破綻しないので、破綻するま

    「日本国債」の本当の問題
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    tdam 2012/12/26
    問題なくはない。バブル発生以降、政府・日銀による悪手連発の結果が今の巨額政府債務。各種経済主体のバランスシート毀損がデットデフレーションのきっかけになったわけで、もっと早くリフレ政策に及んでいれば…。
  • 活断層の上の原発は稼働してはいけない理由

    災害の発生確率×被害金額をリスク評価の基準にすることは多い。しかし、発生確率も被害金額も分からない場合は、不確実性の世界に入るので、計算ができない。 活断層上の原発の再稼動問題は、その不確実性の世界になっている。だから、活断層の上の原発は稼働してはいけない。 断層地震の発生確率は、誰も正確にはわからない。周期性は無さそうだが、一般的に仮定される指数分布だとも限らない。つまり、実は周期的なのかも知れない*1。指数分布だとしても、真のパラメーターは誰も知らない。観測されている発生回数が少ないからだ。 被害金額は、青天井になる可能性がある。特に原発建屋が活断層の上にのっていたら何が起きるかが分からない。「日の地震防災・活断層」にある、1927年北丹後地震の地震断層を見てみよう。 道路が3mぐらいずれている。原発建屋でコレが起きたら、パイプ類の切断どころか、制御棒の挿入さえも危うい事態になりかね

    活断層の上の原発は稼働してはいけない理由
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    tdam 2012/12/18
    福一の津波も含めて、活断層でなくとも"不確実性の世界"なわけで、万事ゼロリスクはありえないが、3mものズレで"パイプ類の切断どころか、制御棒の挿入さえも危うい事態になりかねない"というのはもっとも。
  • 日本国憲法の前文を巡り、安倍総裁の国語能力に関して疑義が発生

    Google政治家と話そうと言うイベントで、「自民党としては、今後どのような分野の政策に、もっとも力を入れて行きたいと思いますか?」と言う質問に対して、安倍総裁が現行憲法を「みっともない憲法」と酷評し、憲法改正に力を入れていく事を示唆したと報道されている(朝日新聞)。偏向報道かと思って動画を確認したのだが、当に言っていた(24:27~)。 動画を見られない人のために、文字おこしも行っておく。 あの、日国憲法の前文にはですね、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意したっと書いてあるんですね。つまり、自分たちの安全を世界に任せますよと、ゆっている。そして、えぇ、専制と隷従、圧迫と偏狭をこの地上から永遠に除去しようと務めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。自分たちが専制と隷従、圧迫と偏狭を無くそうと考えているんじゃないのですよ。国際

    日本国憲法の前文を巡り、安倍総裁の国語能力に関して疑義が発生
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    tdam 2012/12/15
    平和憲法の理念である「前文」ではなく、「憲法9条」を改正するだけで良いと思う国民は多いはず。政府の「憲法解釈」なる怪しげな手法ではなく、自衛戦力と「集団的自衛権」を明記すればよいだけなのだから。
  • FRBやECBと、日銀のリーマンショック後の緩和規模が違う理由

    疑似科学ニュースで、なぜリーマン・ショック後の他国の中央銀行はマネタリーベースの大幅拡大をしているのに、日銀はしていないのかと言う疑問があったので、回答してみる。 買オペによるマネタリーベースの拡大は、基的には、金利を引き下げる意味と、金融機関に決済性資金を潤沢に供給する意味がある。 リーマン・ショック後、FRB、BOJ、ECBは金利を急激に低下させているが、日は低下の余地がほとんど無かった(政策金利比較)。だから、日銀のマネタリーベースの拡大幅が小さいのは、当然になる。 量的緩和はゼロ金利達成後のマネタリーベースの拡大をさすので、ECBやFRBの場合は2009年以降がそれになる。各国中銀のマネタリーベースのグラフを見ると分かるが、危機が続いているECBに対して、FRBはあまり増やしていない(Reuters)。FRBのQE1は2008年11月からだが、実はそこからマネタリーベースはそん

    FRBやECBと、日銀のリーマンショック後の緩和規模が違う理由
    tdam
    tdam 2012/12/09
    "金利ゼロだと現在のマネタリーベースを拡大しても意味が無い事は分かっていて、将来のマネタリーベースの水準に対する姿勢を示すものでしかない" 日銀は「信用される無責任」になることが必要なんでしょうな。