脱税事件の端緒になった被告の口座がなぜ見つかったか--。競馬の払戻金を申告せず約6200万円の所得税を免れたとして、所得税法違反の罪に問われた大阪府寝屋川市職員の男(48)=起訴休職中=を巡る大阪地裁の公判で、国税局査察部(マルサ)の「横目」と呼ばれる調査手法の是非が争われている。被告側は「国税が違法に口座情報を盗み見た」として無罪を主張。地裁も国税側に調査手法の説明を求める異例の展開で、9日の判決が注目されている。【宮嶋梓帆、高嶋将之】 被告は課税対象の1億6300万円を申告せず、所得税約6200万円を免れたとして大阪国税局が告発し、大阪地検特捜部が2016年10月に在宅起訴した。被告が利用するインターネット銀行の口座には、計約3億円の払戻金が振り込まれていたという。