新型コロナウイルス感染症対策を契機に、人工知能(AI)などのITを用いた創薬プロセスが一気に加速しそうだ。ビッグデータの活用が浸透し、深層学習などのアルゴリズムも進歩した。それを支える計算機の性能も高まった。ここ数年で整ってきたデジタル環境を背景に、新型コロナ禍がきっかけとなって「AI創薬」が一気に花開こうとしている。 スパコンの頂点、富岳が貢献 AI創薬を後押しするのがスーパーコンピューターの計算能力の高まりだ。2020年6月22日(ヨーロッパ夏時間)、スーパーコンピューターの性能を競う世界ランキング「TOP500」で理化学研究所と富士通が共同開発した「富岳(ふがく)」が1位を獲得した。この富岳を使った分子シミュレーションで、早くも新型コロナウイルスの治療薬候補が見つかりそうだ。6月26日時点では途中経過だが、「有望そうな治療薬が見つかってきている」と京都大学大学院医学研究科の奥野恭史教
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