新型コロナの治療薬候補で注目を集める中外製薬が、デジタル活用へ大きくかじを切った。同社を率いる小坂達朗会長最高経営責任者(CEO)は成功率3万分の1ともされる新薬開発にAIを駆使し、開発スピードを飛躍的に高める考えだ。デジタル部門トップの招へいや若手の抜てきなど、社内の風土改革にも取り組む。 (聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、玉置 亮太=日経クロステック/日経コンピュータ、鈴木 慶太=日経クロステック/日経コンピュータ) 1976年北海道大学農学部農芸化学科卒、中外製薬入社。MR、国際部を経て、米国ニューヨーク駐在。1995年に英子会社の中外ファーマ・ヨーロッパ社副社長、2000年中外製薬医薬事業戦略室長、2002年執行役員経営企画部長。2010年取締役専務執行役員、2012年社長最高執行責任者(COO)、2018年社長最高経営責任者(CEO)。2020年3月から現職。1953