全国の原子力発電所など原子力施設ごとに置かれている原子力規制事務所(旧・保安検査官事務所)が、事務所と原発の間の移動に恒常的にタクシーを使っていたことが分かった。原発事故のような非常時には、タクシー側に利用を拒否される可能性がある上、民間人を危険な場所に呼ぶことに倫理的な問題もあり、危機管理のあり方が問われそうだ。 (大村歩) タクシー使用は、旧経済産業省原子力安全・保安院(廃止)が二〇〇一年に発足した当初からの慣行で、地元タクシー会社が随意契約で受注してきた。〇七年以降の五年間では計一億九千五百十七万円を使っていた。