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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (14)

  • 著作権法は現代の禁酒法 - 池田信夫 blog

    Winnyの開発者、金子勇氏に逆転無罪判決が出た。これは法技術的にはともかく、ファイルの無断コピーが大量に行なわれ、P2Pがインターネットのインフラになりつつある実態に裁判所があわせたもので、コモンロー的には当然の判決だろう。BitTorrentやSkypeばかりでなく、ヤフー動画でさえ実はP2Pで配信されている。皮肉なことに、47氏の個人的な意見ですけど、P2P技術が出てきたことで著作権などの 従来の概念が既に崩れはじめている時代に突入しているのだと思います。 お上の圧力で規制するというのも一つの手ですが、技術的に可能であれば 誰かがこの壁に穴あけてしまって後ろに戻れなくなるはず。 最終的には崩れるだけで、将来的には今とは別の著作権の概念が 必要になると思います。という予言が現実になりつつあるのだ。ニューズウィークに書いたように、そもそもインターネット自体がホストを直結するP2

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    tinsep19 2009/10/09
    物質に付随して売買されることが自然だった時代に法的な規範ができたためだが、そうした法律よりも先にデジタル情報技術が普及したアジアでは、情報を物として扱う規範は自明でもないし、効率的かどうかも疑わしい。
  • 希望を捨てる勇気 - 池田信夫 blog

    昨今の経済状況をめぐる議論で、だれもが疑わない前提がある。それはこの不況が、いずれは終わるということだ。日経済にはもっと実力があるので、政府が景気対策で「GDPギャップ」を埋めて時間を稼いでいれば、「全治3年」で3%ぐらいの成長率に戻る――と麻生首相は信じているのかもしれないが、昨年の経済財政白書は次の図のような暗い未来像を描いている: これは秋以降の経済危機の前の予測だから、潜在成長率は1%弱だが、今はマイナスになっている可能性もある。90年代の「失われた10年」と現在はつながっており、そしてこの長期停滞には終わりがないかもしれないのだ。これを打開するには、生産性を上げるしかない。特に雇用を流動化して労働の再配分を行なう必要があるが、それには非常に抵抗が強い。日の産業構造が老朽化しており、これを再編しないと衰退する、と多くの人が90年代から警告してきた。20年間できなかったことが、

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    tinsep19 2009/04/27
    しかし残念ながら、若者にはその力はない。かつてのマルクス主義のような、彼らを駆り立てる「大きな物語」が失われてしまったからだ。こうして実社会の共同体から排除された若者は、仮想空間で共同体を築く。
  • イノベーションは技術革新ではない - 池田信夫 blog

    経済成長の最大の要因がイノベーションだということは、今日ほぼ100%の経済学者のコンセンサスだろう。したがって成長率を引き上げるためには、マクロ政策よりもイノベーション促進のほうがはるかに重要である。これについて先進諸国で採用されている政策は、政府が科学技術に補助金を投入する技術ナショナリズムだが、これはどこの国でも失敗の連続だ。著者は、この背景にはイノベーションについての根的な誤解があるという。 イノベーションについての経済理論はほとんどないが、唯一の例外が内生的成長理論である。この理論は成長のエンジンを技術革新に求め、政府の補助金が有効だとする。しかし書は、100社以上のベンチャー(startup)の聞き取り調査にもとづいて、イノベーションの質は技術革新ではないと論じる。アップルやグーグルのように既存技術の組み合わせによってすぐれたサービスが実現される一方、日メーカーのように

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    tinsep19 2009/03/19
    製品開発には多くの補完的な要因がからむので、全体の効率を決めるのはボトルネックになっている要因だ。本書によれば、多くの場合にボトルネックになっているのは、技術ではなくマネジメントである
  • ワーキングプアを救済する方法 - 池田信夫 blog

    最低賃金法の改正案が、国会で審議されている。労働組合などからは「これではワーキングプア対策にならない」「最賃を一律時給1000円に引き上げろ」などの要求が強い。しかし当ブログでこれまでにも説明したように、最賃規制は労働需要の不足をまねき、失業を増やすおそれが強い。 今回の改正のポイントは、生活保護との「整合性」だが、具体的な金額は規定されておらず、実効性は疑わしい。根的な問題は、生活保護が働かないで貧しい人を対象にしており、働いても貧しい人を救済する制度がないことだ。働くより生活保護を受けたほうが高い所得を得られ、少しでも働くと生活保護の支給が打ち切られることが、労働のインセンティブをそいでいる。 この問題の解決策も、フリードマンが45年前に提案している。負の所得税である。これは課税最低所得以下の人に最低所得との差額の一定率を政府が支払うものだ。たとえば最低所得を300万円とし、ある

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    tinsep19 2009/02/15
    働いても貧しい人を救済する制度がないことだ。働くより生活保護を受けたほうが高い所得を得られ、少しでも働くと生活保護の支給が打ち切られることが、労働のインセンティブをそいでいる。
  • 岸博幸氏の間違いだらけの経済学 - 池田信夫 blog

    今週の週刊ダイヤモンドに、岸博幸氏の「ダビング10で市場縮小の恐れ」という「寄稿論文」が掲載されている。あまりにも間違いが多いので、ダイヤモンドに投稿しようかと思ったが、よく考えたら15万部の週刊ダイヤモンドより毎週35万PVの当ブログのほうが読者が多いので、こっちで反論することにした。少しテクニカルなので、興味のない読者は無視してください。 岸氏の主張は、上の図に要約される。彼によると、市場における財の価値は、価格という指標を通じて伝達される。ところが、デジタル技術の向上とインターネットの普及という環境変化によって、経済学でいうところの「外部経済効果」が働き、コンテンツの価値をゼロに近い水準に引き下げてしまった。この「外部経済効果」(そんな経済学用語はないが)を阻止するためにダビング10などのコピー制御が必要だといいたいらしいが、この文章はナンセンスである。岸氏によれば、青い曲線で決ま

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    tinsep19 2008/07/16
    現実に、ウェブではほとんどの情報は無料で入手でき、これが効率的だ。つまり岸氏の思い込みとは逆に、コンテンツの価格はゼロに近づくのが正しいのである。
  • イノベーションと経済成長 - 池田信夫 blog

    今週の『週刊東洋経済』にも紹介されているように、当ブログの当初の目的は読書の感想や思いつきをメモすることで、それは今でも変わらない。書も専門的なので、一般のビジネスマンにはおすすめできないが、研究者には参考になるので、簡単にメモしておく。 書は、Baumolの"The Free-Market Innovation Machine"をめぐって開かれた会議の記録だ。おもしろいのは、Solow, Arrow, North, Phelps, Blinder, Shiller, Malkiel...という錚々たる執筆者が、一致して「経済成長にとってもっとも重要なのはイノベーションだ」と認めていることだ。 Arrowも指摘するように、イノベーションは技術的な「発明」のことではない。紙も火薬も活版印刷も中国で発明されたが、新しい産業を生み出すことはなかった。Schumpeterは、イノベーション

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    tinsep19 2008/06/23
    こうした限界は、これまでのマクロ経済学が定常状態を説明することを目的にしてきたのが原因だ。イノベーションはそこに至る過程であり、それを説明するには行動経済学のような心理的な問題をマクロ的に扱う理論が必
  • フェアユースより「フェアコピーライト」を - 池田信夫 blog

    けさの朝日新聞の1面トップに「著作物の利用緩和へ」という記事が出ているので、何のことかと思ったら、政府の知財制度専門調査会で3月から行なわれている議論の、「フェアユース」の部分だけを今ごろ取り上げたものだ。この調査会が現在の著作権制度を抜的に見直そうとする方向は賛成だが、門外漢として感想をいえば、フェアユースの導入が望ましいかどうかは疑問だ。 よく知られているように、英米法では著作者の権利はフェアユースという漠然とした概念で制限されているが、日の著作権法では、30条以下で適用除外の条件が具体的に限定列挙されている。このため、そこに列挙されていない用途、特に検索エンジンが著作権法違反だということになり、サーバを海外に置かなければならない。これを解決するため、著作権法を改正して検索エンジンを適用除外に加えるという改正案もあったが、「ダウンロード違法化」と一緒に流れてしまったようだ。 こ

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    tinsep19 2008/05/29
    要は情報利用(著作者の権利制限)のルールを「~を許可する」という積極的自由から「~は禁止する」という消極的自由に変え、その禁止条件を可能な限り厳密に、また最小限度にすることである。
  • グーグルの敗北による勝利 - 池田信夫 blog

    アメリカの700MHz帯のオークションで、注目されていたCブロックはVerizonが落札し、グーグルは競り負けた。しかしWSJやロイターは、「これは実質的にはグーグルの勝利だ」と評価している。グーグルが落札の条件として要求し、FCCが認めたオープンアクセスの条件をVerizonが守ると発表したからだ。これによって、Verizonは自社の電波を受信できる端末からのアクセスをすべて認めなければならない。具体的には、自社のSIMカードだけを売り、端末は消費者が自由に選ぶ欧州型の水平分離の市場ができることになろう。 しかも、きのうドコモも発表したように、世界の主要な携帯キャリアが、グーグルの(LinuxベースのフリーOS)Androidを採用する。これによってOSの標準を取れば、携帯アプリケーションはグーグルAPIで開発されることになる。携帯業界では「新米」のグーグルが、あっという間に携帯端末

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    tinsep19 2008/03/25
    具体的には、自社のSIMカードだけを売り、端末は消費者が自由に選ぶ欧州型の水平分離の市場ができることになろう。
  • マイクロソフトの高い買い物 - 池田信夫 blog

    きのうヤフーとグーグルの(間接的な)関係者と話したら、当然のことながら、今度の買収の話題が出たが、みんな一様に否定的だった。クビになったテリー・セメルのおかげでぐちゃぐちゃになったヤフーを、また62%ものプレミアムで(借金までして)買おうって、ビル・ゲイツはどうかしたんじゃないの? 古川享氏もいっているように、孫正義氏がヤフーのスタートアップの際、ゲイツに相談したとき買っていれば、数百万ドルですんだのに・・・ NYタイムズの社説まで、「この買収はどうせ失敗するから、規制当局はほっておけ」と冷たい。経済学的に考えると、MSの戦略は一時代古い。製造業なら、物的資産の所有権によって被買収企業をコントロールできるが、ネット企業の不可欠資産は物的な工場ではないからだ。たとえば、かつて世界最大級の広告代理店だったサーチ&サーチが1995年に創立者のサーチ兄弟を追い出したとき、彼らが仲間を引き連れて新し

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    tinsep19 2008/02/18
    MSは、資本主義の企業としては最強だったかもしれないが、いま始まっているのは、資本主義とその次の社会の闘い
  • 匿名ウェブの終焉 - 池田信夫 blog

    Googleがテストを開始したWikipediaに似たサイト、knolが話題を呼んでいる。以前から書いているように、私は現在のWikipediaは「無法者の楽園」に堕していると思うので、競争が起こるのは歓迎だ。特に注目されるのは、このプロジェクトの責任者であるUdi Manber(技術担当副社長)が、knolのコンテンツが署名入りで書かれる点を強調していることだ:このプロジェクトの鍵となるアイディアは、著者を明記することである。でもニュースでも学術論文でも、著者がだれであるかは明記されているが、なぜかウェブは著者を明記する強力な標準なしで進化してきた。誰が書いたかを知ることは、読者が内容を判断する上で重要な助けになるとわれわれは信じる。匿名は、インターネットの原則ではない。初期には、E2Eの原則によってIPアドレスとユーザーは1対1に対応していたし、ネットニュースの投稿も署名入りが基

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    tinsep19 2007/12/20
    ウェブの成長期には、匿名性が参加者の心理的な障壁を下げ、規模の拡大に貢献したことは確かだが、今ウェブに必要なのはこれ以上の規模の拡大ではなく、信頼性を上げることだ。
  • ムーアの法則の歴史的帰結 - 池田信夫 blog

    私の新著は、まだ屋には並んでいないが、アマゾンで先行発売されたようだ。さっそくDankogai氏からTBがついているので、少し補足しておこう。 ムーアの法則による「コスト低下のスピードが遅くなっている」という実感は、彼のようにサイバースペースのど真ん中で仕事をしている人には当然だろう。問題はむしろ、「こちら側」ですらなく、情報産業の「外側」にいる大多数の人々に及ぼす影響だ。拙著(p.93〜)でも書いたように、コンピュータは電力のような汎用技術なので、それを利用した応用技術が発達しないと、真のインパクトは見えてこない。アメリカで最初の発電所ができたのは1870年代だが、電力使用量が蒸気機関を上回ったのはその50年後である。 コンピュータの場合、集積回路の発明された1960年から数えても50年たっておらず、すべてのの情報のうちデジタル化されたのは5%にすぎない。狭義の情報産業を超えた影

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    tinsep19 2007/12/12
    コンピュータは電力のような汎用技術なので、それを利用した応用技術が発達しないと、真のインパクトは見えてこない。
  • 「ユーザー主導」の落とし穴 - 池田信夫 blog

    きのうのICPFセミナーでは、「情報大航海プロジェクト」をめぐって、経産省の久米さんの話を聞き、討論を行った。当ブログも読んでいただいているようで、「ユーザー主導の開発」「戦略的な開発ポートフォリオの運用」など、かつての大プロの轍を踏まないように工夫した形跡が見られる。今週の『日経ビジネス』では、肥塚雅博商務情報政策局長が「IT産業を牽引するのはFNHなどの大手ベンダーではなく、ユーザー企業だ」と発言している。コンソーシアムには、トヨタイオンなども入っていて、製造業などの「日の強み」を生かそうということらしい。 この場合のユーザーは、消費者ではなく財界系の企業だが、彼らが未来の産業を牽引できるだろうか。クリステンセンも指摘するように、持続的イノベーションが没落するのは、顧客を無視するからではなく、むしろその要求を聞いたために(顧客とともに)没落するのである。グーグルのような破壊的イノ

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    tinsep19 2006/12/01
  • 池田信夫 blog SIMロックの解除は犯罪か

    きのう警視庁は、携帯電話のSIMカードのロックを解除して売っていた業者L&Kの社長を、商標法違反と不正競争防止法違反などの容疑で逮捕した。気になるのは、メディアの扱いである。たとえばTBSは(おそらく警視庁のリークで)事前取材をした形跡があり、この商売をいかにもいかがわしいものとして描いている。テレビ朝日の「報道ステーション」でも、解説者が「こういう不正改造を許したら携帯電話業者のビジネスは成り立たない」とコメントしていた。 果たしてそうか。SIMカードは、もとはヨーロッパ統一規格のGSMで、一つの端末を各国で使うためにできたものだ。端末とSIMカード(携帯電話アカウント)を別に売っているので、一つのカードで複数の端末を使うこともできる。これによって端末とサービスがアンバンドルされ、両方の市場で競争が促進された結果、GSM端末の原価は日の携帯電話よりも一桁ぐらい安く、通話料金も日より

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    tinsep19 2006/08/26
    オペレータが端末1台4万円以上という異常なインセンティブを下げ、料金を値下げすればいいのである。-> 端末は+4万円をベースに価格競争で値下がるのをまつ。いいのか?市場的にもユーザー的にも現状はかなりベスト
  • 池田信夫 blog:グーグル:迷い込んだ未来

    きのうのICPFセミナーは、グーグル法人の村上社長をまねいて話を聞いた。聴衆は、定員120人の部屋で満員札止め。話が終わった後も、30分以上も質問の列が続いた。村上さんも、今年に入ってからの日でのブームの過熱には驚いていた。やはり『ウェブ進化論』がきっかけだったようだ。 グーグルは最近、いろいろなビジネスに手を出しているが、どれも「検索」に関連するものであり、アドホックに「多角化」しているわけではないという。グーグルのコアには技術があり、その質はインフラ会社である。コンピュータ・センターには、普通のPC用のCPUやメモリやディスクを大量に組み合わせた「超並列コンピュータ」がある。その処理・記憶コストは、普通のPCよりもはるかに低く、これが目に見えないグーグル技術革新だ。 ニュースになりそうなネタとしては、AdSense for Magazineというサービスを実験的に始めたと

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    tinsep19 2006/06/30
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