石油化学工業協会は5日、相次ぐ化学工場での事故発生を受け、会員企業の社長らが安全対策について意見交換した「保安トップ懇談会」の内容をとりまとめ、発表した。 それによると、現場の作業員の世代交代などを背景に「教育と技術伝承」が不十分になっているとの認識から、「ベテランの暗黙知を冊子などにまとめて企業の中に残す」「定年退職するベテランが工場を去る前に、運転部門に人的な余裕をつくる」などの各社の取り組みが紹介された。 また、「慣れに誘発されるヒューマンエラーが事故原因の1つ」「(設備の)停止やスタートなど非定常作業を減らすため、さらなる連続運転の延長が望ましい」「都市部では運転要員の確保が難しく、安定的な要員確保が今後の課題」などの指摘も挙がった。 同懇談会は化学工場の事故防止に向け、石化協が会員企業のトップらによる意見交換と相互啓発を目的に初めて設けた。昨年11月から今年6月にかけて計5回開か