前編では、ブラジルにおいてグリーン水素関連プロジェクトが相次いでいる現状を概説した。そうした中、水素生産コストの高騰やオフテイカー(引き取り手)の不在といった課題が多い中で、政府への期待が大きいことが明らかになった。後編では、政府による水素生産コスト削減に向けたを支援と、今後の水素需要形成先に向けた議論についても報告する。 連邦政府、水素の取引要件と生産投資コスト削減を支援 連邦政府は水素生産の拡大に取り組んでいるが、グリーン水素だけでなく、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)を組み合わせた天然ガス由来のブルー水素や、メタン熱分解によるターコイズ水素など、あらゆる低炭素水素を支援する方針だ。鉱山エネルギー省(MME)傘下のエネルギー調査会社(EPE)公式サイトでは「すべての色が重要。いわゆる『虹色』水素戦略が必要」と明言しており、政府も「グリーン水素」ではなく「低炭素水素」という表現を
