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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (53)

  • [書評]高校生からのゲーム理論(松井彰彦): 極東ブログ

    「高校生からのゲーム理論(松井彰彦)」(参照)は、ちょっと変わっただった。普通ならこの書名から、高校生がゲーム理論を簡単に学べる入門書を連想するだろう。大学生や社会人も、「そうか、高校生でわかるレベルでやさしく書かれているだろうな」と推測する違いない。間違いではない。高校生でわかるようにやさしく書かれている。文章も読みやすい。イラストも楽しい。しかし、数学は苦手だけど、とにかく手っ取り早くゲーム理論を理解したいというのには、ちょっと向かないかもしれない。 こういうと工夫して書かれた著者に申し訳ないが、ゲーム理論入門のさわりでもあるゼロサムゲームやチキンゲーム、囚人のジレンマといった話は、図解とかでもっと簡単に説明できるだろうし、そうしたタイプの書籍もあるのではないか。なんだろ。それっぽくきれいにまとまっている「ゲーム理論 (図解雑学)(渡辺隆裕)」(参照)かな。1957年生まれの私な

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    tobiaki 2010/05/18
    松井彰彦「高校生からのゲーム理論」
  • [書評]テルマエ・ロマエ Ⅰ(ヤマザキマリ): 極東ブログ

    今さらなという感じもしないでもないし、今見たらアマゾンで品切れだった。すごい人気である。「テルマエ・ロマエ Ⅰ(ヤマザキマリ) 」(参照)。面白いんだものね。というわけで、面白いギャグ漫画について面白いという以上を語るとろくなことにはならないが、無粋なブログなんで無粋な話でも。 私がこのマンガを知ったのは、日経新聞のコラム春秋だった。3月15日のコラムにこうあった。 古代ローマの建築技師が時空のトンネルを抜け、現代の日と行ったり来たり。昨年末に出版され漫画好きの注目を集めている作品の筋立てだ。画期的なのは主人公を浴場専門の設計家にした点。日側の出入り口も風呂に限っている。 面白そうな漫画だなと思った。しかし、まったく思い当たらない。周りに漫画を読む人も減ってきている。 いつごろからか漫画をほとんど読まなくなった。10年くらい前だろうか。15年くらい前か。惰性で読んでいたスピリッツが読ん

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    tobiaki 2010/03/24
    「テルマエ・ロマエ」
  • [書評]中国の大盗賊・完全版(高島俊男): 極東ブログ

    誰が読んでも面白いというのがある。当然、ある程度大衆受け的な部分のトレードオフがあり、「ちょっと単純化しすぎるかな」「世俗的だな」という部分がデメリットになるものだ。これに対して、一部の人が読むとバカ受けに面白いというのもある。痛快な書「中国の大盗賊・完全版(高島俊男)」(参照)はどちらか。その中間くらいにある。誰が読んでも面白いとまではいえないし、一部の人にバカ受けということもないだろう。ただ、そこのトレードオフでいうなら、おそらく最適化された書籍だろうし、中国史の理解に自負がある人を除き、普通に中国史と中国文化に関心を持つ人なら、依然必読書だろう。「完全版」でない1989年版は多くの人に既読かもしれない。完全版は2004年に刊行された。何が「完全版」なのか。それは、筆者高島氏が当に書きたかった終章が再現されていることだ。 1989年版つまり平成元年版が書かれたのはその前年か前々

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    tobiaki 2010/02/18
    「中国の大盗賊・完全版」
  • [書評]ぼくは日本兵だった(J・B・ハリス): 極東ブログ

    先日トゥイッターで、蛍雪時代、ラ講、百万人の英語といった話を少しして、「そういえば、J・B・ハリス先生は日人」という話を投げたら、驚かれた人がいた。2004年にお亡くなりなったJ・B・ハリス先生の国籍は日。戸籍名は平柳秀夫である。しかし、ハリス先生は産まれたときの英国籍の名前、James Bernard Harrisを自身のアイデンティティーとされていた。 英国人を父、日人を母として1916(大正5)年9月4日、神戸に生まれ、ほどなく横浜に転居しそこで育った。震災後は米国に移り暮らし、12歳で日に戻った。ジャーナリストであった父、Arthur Montague Harrisは、1933年、肺炎がもとで死去した。46歳だった。ハリス先生は当時16歳。残された母子は日国籍を選び、このとき「平柳秀夫」となった。日語は話せるものの漢字などは十分に読めず、軍人訓などを暗唱させられる兵役で

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    tobiaki 2009/11/23
    「ぼくは日本兵だった」
  • [書評]農協の大罪 「農政トライアングル」が招く日本の食糧不安(山下一仁): 極東ブログ

    農政アナリストの山下一仁さんは、昨年までだったか、私が毎朝聴くNHKラジオで決まった枠をもって農政関連の話をしていた。その切れ味の鋭さから氏の意見をその後もおりを触れて傾聴してきたが、今年の年頭、書「農協の大罪」(参照)が出て少し驚いた。著作は専門的な内容に限定されるとなんとなく思っていたのに、一般向けの書籍でわかりやすうえ、過激であったことだ。 「過激」という表現は正確ではない。高校生でもわかることが普通に理路整然と書かれているに過ぎない。農協がいかに日の農業を滅ぼしたか、すっきりわかる。つまり、それが「過激」であると言うことになる。フォーサイト9月号記事「どこへ言った民主党『農政の理念』」で知ったのだが、書は全国農業協同組合中央会(全中:JA)の「禁書」に指定されたらしい。妙に納得した。 日という国の空気を多少なり知った大人なら、農協批判が逆鱗に触れる話題であることはわかる。以

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    tobiaki 2009/09/14
    「農協の大罪」
  • [書評]命の値段が高すぎる! - 医療の貧困(永田宏): 極東ブログ

    倫理的に考えれば命に値段が付くわけもないのだから当然、書名の「命の値段が高すぎる! - 医療の貧困」(参照)は比喩である。実際はというと、後期高齢者医療制度にかかる費用が莫大で日は高齢者医療を維持できるのだろうかという問題だ。 書の趣旨にかかわらず、この問題は非常に深刻でこれからの政治に大きな影を投げかけるはずだった。 高齢者医療費が高すぎて、もはや国民には払えない。高齢者も現役世代も、これ以上の負担には耐えられそうにない。だからいって、このままじっとしていては何も解決しない。 ではいったいどうすればいいのか。 いくつかの選択肢がすでに用意されている。(中略) しかしその前に、医療制度の「抜的解決」はありえないことを理解しておいていただきたい。 どの政党も医療制度の「抜的解決」を訴えている。ところが中身はお粗末なものばかりで、具体的な解決案はほとんど示されていない。国民は待てど暮ら

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    tobiaki 2009/09/03
    「命の値段が高すぎる! - 医療の貧困」
  • [書評]不透明な時代を見抜く「統計思考力」(神永正博): 極東ブログ

    例えば、小泉改革で格差は拡大したとよく言われる。当だろうか。いろいろな議論はあるが、議論の大半は論者の主観であったり、論者の身の回りの生活感覚から導かれた、ごく局所的な状況報告であったりする。 それ以前に、「小泉改革で格差は拡大した」という命題はいったい何を意味しているのだろうか。命題は真または偽として評価されるものだ。「それが当であるか、あるいは嘘であるか」という判定は、このケースでは格差の定義とその評価法に依拠している。一番明快な説明は、数値的・数学的に格差なる社会現象を定義し、実際に統計データに当たってみて、その正否を見ればよい。それが方法論ということでもあり、統計学はその数値的な表現から方法論によく利用されている。 書、「不透明な時代を見抜く「統計思考力」(神永正博)」(参照)は、統計から各種議論の正否を考えるための参考書でもあり、加えて統計を使って考える際の勘所を比較的平易

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    tobiaki 2009/09/02
    「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」
  • [書評]アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界(堂目卓生): 極東ブログ

    ところで今日7月17日は経済学の祖と言われるアダム・スミス(Adam Smith)の命日である。1723年の初夏、対岸にエディンバラを臨む、スコットランドの港町カコーディーに彼は生まれたが、その日のほうはわかっていない。幼児洗礼を施された6月5日を便宜上誕生日と見なすこともある。父は弁護士で税関監督官の仕事をしていたが、アダムが生まれる半年前に急死し、身重の17歳のを残した。アダムは極貧に育ち、母を支え、生涯を娶らなかった。童貞だったかどうかはあまりスミス研究において重視されないようでもある。 2008年に、日経新聞掲載記事を膨らませる形で描かれ、同年サントリー学芸賞政治・経済部門を受賞し、また同年のエコノミストが選ぶ経済図書ベスト10にも入った堂目卓生著「アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界」(参照)には、そうした話、つまりアダム・スミスの私生活に類した話は、ほとんど描か

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    tobiaki 2009/07/17
    「アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界」
  • [書評]実践 行動経済学 --- 健康、富、幸福への聡明な選択(リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン): 極東ブログ

    [書評]実践 行動経済学 --- 健康、富、幸福への聡明な選択(リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン) 台湾では昔から似たような仕組みがあったように思うが、日で横断歩道の信号表示に残量タイマー表示が追加されたのは二年くらい前からだろうか。例えば、横断可能な青の状態の時間はあとどのくらいでなくなるか。青の縦バーが刻々と短くなっていくことで表示する。赤の状態でも同じなので青に変わるまでの時間がわかる。 横断歩道の信号に残量表示が付加されることで何かメリットがあるのか。普通に想像してもあると言える。横断中に青の残量が減ってきたら少し小走りで横断したり、横断歩道に着く手前で残量が僅かなら次の青を待つ。以前人々がよくしたように直交する側の道路の信号が黄色になると横断歩道に飛び出すという行為が抑制される。こうした人々の行動を変化させ、交通事故が減らすメリットがある。信号の仕組みに手を加えるこ

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    tobiaki 2009/07/10
    「実践 行動経済学」
  • [書評]「無駄な抵抗はよせ」はよせ(日垣隆): 極東ブログ

    書名は少し挑戦的だ。「「無駄な抵抗はよせ」はよせ(日垣隆)」(参照)というのだから、「無駄とわかっていても抵抗はしてみよう」ということになる。抵抗する対象は何か? 帯に「体と心のピンチに! やっぱり痩せたい、老いたくない、安らかでいたい、ボケたくない」と続くから、老化や精神的につらい状況が対象だとわかる。では書に抵抗できるだけのツールがあるか。帯はこう続く。「著者が自身のために集めた科学と智恵の簡単極意をお裾分け」。そうだなと読んでみて思った。率直なところ無駄な抵抗もしてみるものだとまでは思えなかったが、きちんとお裾分けはあった。 内容は、第一線で活躍されている科学者を中心にジャーナリスト日垣隆によるインタビューを今回のコンセプトで8点まとめたものだ。 私が一番面白かったのは、1946年生まれ、というから今年63歳になる日航空の現役パイロット小林宏之氏の話だった。1968年にパイロット

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    tobiaki 2009/06/29
    「「無駄な抵抗はよせ」はよせ」
  • [書評]あなたの人生の物語(テッド・チャン): 極東ブログ

    「あなたの人生の物語」(参照)は、中国系二世の米国人SF作家テッド・チャンの短編集で、ネイチャー誌に掲載されたショートショートを含め、8編の作品が収録されている。どれも米国のSFコンテストの賞を得ている佳作ぞろいである。 寡作の作家らしく、実質書以外の著作はないようだ。もしかして日で編集された選集ではないかと疑い、英書探すと「Stories of Your Life and Others(Ted Chiang)」(参照)があり、邦訳はそれに準じたのものようだ。 私は書を、その評価もテッド・チャンという作家についても何も知らないで読んだ。勧められたわけでもなかった。とある書店でたまたま偶然に出合った。魅惑的な書名に惹かれたわけでもなかった。その経験はうまく言い難い。読後は、ネットでよく言われる「お前は俺か」という感慨を持った。私と似たようなへんてこな思索課題に取り憑かれ、似たように展開

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    tobiaki 2009/06/03
    「あなたの人生の物語」
  • [書評]明暗(夏目漱石): 極東ブログ

    昨年末”極東ブログ: 漱石のこと”(参照)で漱石が、今の私の年齢である四九歳で死んだことを思い出し、うかつだった、しまった、「明暗」(参照)をまだ読み終えてないぞ、と焦り、手前が五十になる前に読まなくてはと決意していた。そんなふうにを読むもんじゃないのかもしれないが、先のエントリでも書いたように漱石の文学は自分の人生に決定的な意味をもっていたし、人生の航路に合わせて読んでいこうと決意していた。なにより今「明暗」を読まなくては。そして、読み終えた。 無性に面白かった。なぜ今まで読まなかったかと悔やまれるかというと、それほどでもない。自分と同い年の漱石と一緒に思索しつつ、対話しつつ読む実感があり、これはかけがえのない喜びでもあった。漱石先生、そうです、五十歳を前に死を覚悟して、この人間世界を見つめたとき、これだけが問題ですね、と。実際の読者の幅としては、三十代前半で読むと、夫婦関係や親族関係

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    tobiaki 2009/05/18
    「明暗」
  • [書評]「食糧危機」をあおってはいけない (川島博之): 極東ブログ

    地球温暖化やBRICs国民の消費によって、糧危機や水資源の危機が深刻に語られるなか、「「糧危機」をあおってはいけない (川島博之)」(参照)は標題からもわかるように、この問題をシステム工学の視点から冷静に捉えようとした書籍だ。 標題を見てすぐわかるように、同じく文藝春秋から2003年に出されたロンボルグの「環境危機をあおってはいけない」(参照)をまねている。こちらの書籍は、日では著者のロンボルグより訳者でもあり評論家であもる山形浩生のほうが著名かもしれない。そのせいか、この「「糧危機」をあおってはいけない」の帯もこうなっている。 山形浩生 推薦” (『環境危機をあおってはいけない』の訳者) 「それはウソだ!」 「もうこの手の扇動にまどわされないようにしようじゃないか。」 とある。裏表紙にはこうもある。 「目からウロコの真の啓蒙書」 ぼくはすでに四〇年以上生きてきて、これが何度も繰り

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    tobiaki 2009/03/29
    「「食糧危機」をあおってはいけない」「世界を動かす石油戦略」
  • ナンのいい加減な作り方: 極東ブログ

    好例、い物の話でも。で、何だろ? 何だろ、ナンだろ。というべたな洒落でナンのいい加減な作り方。きちんとした作り方についてはぐぐると情報があると思う。 必要な物は、量り、計量さじ、小麦粉強力粉、イースト、塩、砂糖、油、それと水。 強力粉はカメリア粉でいい。薄力粉を半分まで混ぜてもいい。これが200グラム。これに砂糖を大さじ2、塩小さじ1、イースト小さじ2を入れて箸でよく混ぜる。油を大さじ2を入れ、水120CCを入れて練る。油はなんでもいい。バターを入れると美味しい。 手がべたべたになるのがいやなら、「極東ブログ: 手抜きうどんの作り方」(参照)みたいに水回ししてから練るといい。練るものだいたいうどんと変わらないが、ナンの場合はもうちょっとゆるくなる。 練りながら耳たぶよりちょっと柔らかい感じで均質になったら丸めてボールか鍋に入れて濡れ布巾でも被しておく。室温でいい。待つこと小一時間。おやぁ

  • グアンタナモ収容所のウイグル人: 極東ブログ

    オバマ政権になったのでそれがチェインジ(取っ替え)ということだが、実際に何かを変えないといけないわけで、公約でもあったグアンタナモ収容所が閉鎖される。今朝の毎日新聞社説”オバマ外交 「公平さ」が不信解消のカギだ”(参照)が取り上げていた。 米国の新政権が活発に動き始めた。オバマ大統領は就任から2日後に、ブッシュ前政権の「負の遺産」ともいえるグアンタナモ収容所の1年以内の閉鎖を命じた。クリントン国務長官のもとで中東とアフガニスタンを担当する2人の特使(代表)も決まった。 まずは素早い対応を評価したい。閉鎖される収容所はキューバ・グアンタナモ米海軍基地にあり、拷問や長期拘束などが問題になっていた。オバマ大統領の決断は、中央情報局(CIA)の秘密収容所の閉鎖や「水責め」の拷問禁止と並んで米国の暗いイメージの一掃に役立つだろう。 ということで毎日新聞としては、グアンタナモ収容所が閉鎖の意味は、「米

  • [書評]この金融政策が日本経済を救う(高橋洋一): 極東ブログ

    「この金融政策が日経済を救う(高橋洋一)」(参照)というが出ると聞き、アマゾンで予約しておいたらひょっこり届いた。カバー裏に「書は、おそらく世界一簡単な金融政策の入門書です。数式を使わず、平易に、高校生でもわかるようにしました」とあり、確かに「簡単」というのもわからないではないのだが、高校生でこれは読めるだろうかな、名目金利や実質金利の話などは、例をあげて説明を割かないとわかりづらいのではないのかなとは思った。 内容的には、経済学的な面では「極東ブログ: [書評]霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」(高橋洋一)」(参照)で扱った新書とだいたい同じ、文春のほうが読みやすい感じはする。ようするにリフレ論です。 が、今回の光文社のものは、リーマンショック以降の状況を扱っているのと、かなり露骨に与謝野・白川失政を突いているので、露骨に言うと政府や日銀にすり寄っておきたいマスコミ系にとってはけ

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    tobiaki 2008/12/18
    「なんらかの合理的な作動をしているのではないか、その合理性についての議論を知りたいと思う」この疑問が私にもある。
  • [書評]治療をためらうあなたは案外正しい EBMに学ぶ医者にかかる決断、かからない決断(名郷直樹): 極東ブログ

    ああ、これになって出ちゃったのか、というのが率直な印象。「治療をためらうあなたは 案外正しい EBMに学ぶ医者にかかる決断、かからない決断(名郷直樹)」(参照)である。書評に書くかためらう部分もあるし、書くとなるとつい言いたくなることもあり、心が揺れる。一般向けに書かれて、一般の方が読まれると、戸惑う人も多いだろうし、だがそろそろ社会もこの問題に向き合うほうがよいと思うので、このは読まれるべきだろうし、その意味で、向き合いかたの一例として私もさらっと書いてみたい。メモ程度な気持ちで書いているので、そこはご配慮を。 このの内容を、やや粗暴だが一言でいうと、とか言って標題どおりなのだが、「治療をためらうあなたは案外正しい」ということだ。 いわゆる生活習慣病(こんな自己責任を押しつける病があるのは日だけだけど)や癌、花粉症、風邪、インフルエンザなど、私たちの社会が普通に直面する、ある意味

  • [書評]江戸の経済システム 米と貨幣の覇権争い(鈴木浩三): 極東ブログ

    以前「極東ブログ: [書評]にっぽんの商人(イザヤ・ベンダサン)」(参照)で、江戸時代の商人倫理に少し触れたが、同書は当時の貨幣経済について詳しくは書かれていない。それがどうしたわけか、このところ江戸時代の貨幣経済がどうなっていたのか気になっていろいろ散発的に調べてみた。面白いのだこれが。 銭形平次が投げていた銭は寛永通宝だというのはいいが、これって円の単位が確定した昭和28年まで日国の通貨として使えたとは知らなかった、いやそれは曖昧な情報かもしれないのだが。また寛永通宝は中国やベトナムにも輸出していたともいう。それってどういうことなのか。宋通元宝や太平通宝といった宋銭がなぜ和銭ではなく宋の銭なのかはいいとしても、それが流通していたというのは同じ経済圏だったのだろうか。永楽通宝は明が対日向け専用に鋳造したというのだが寛永通宝では逆転したわけだ。それにはどういう歴史的な意味があるのか。

  • [書評]霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」(高橋洋一): 極東ブログ

    3月に講談社刊の書籍について、「極東ブログ: [書評]さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白(高橋洋一)」(参照)を書いたが、書「霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」(高橋洋一)」(参照)は、その高橋洋一による文春新書。 内容的には講談社に被るところがあるが、視点はぐっと身近な経済学に寄っているのと、インタビュー書籍であるが、インタビューアが高橋の業績をよく知っているらしく、要領のよい質問を繰り出しているので新しい価値がある(ただ、見出しがいくつか変なので編集の不手際は感じる)。 帯に「新日経済入門」と「高校1年生~財務官僚・日銀マン向き」とある。どちらも皮肉ではあるが、確かに高校一年生でも読めるだろうし、高校一年生ならこのくらい読んでおいたほうがいいだろう(大学生なら必読かな)。 ただし、この経済学がわかるといった類ではないし、ある意味で最先端の経済学のプラクティカルなエ

  • 有毒ガス自殺メモ: 極東ブログ

    この話題は触れないでおこうかとも思ったけど、世相のログとしてごく簡単に。 書こうかと思ったのは、昨今の有毒ガス発生による自殺の連鎖を海外がどう見ているか、あるいは海外ではこうした事件はないのかと見ていて、どうやら極めて日的と見られている印象があったからだ。 ざっと見たところ海外報道では「detergent suicides」として扱われていることが多いようだ。類似の事件海外にはなかったのだろうかとざっと調べたところはなかったようだ。また各国が目下の日の自殺エピデミックスの影響に恐怖しているかどうかもざっと見たが、概ね他人事感がある。「detergent」が身近であっても、特異なBath Saltのほうが存在しないからではないだろうか。記事によってはBath Saltをliquidと表現している記事もあった。してみると、この事件の背景要素は極めて日的とも言えるのかもしれないし、高島俊

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    tobiaki 2008/05/07
    「洗浄剤を検索した場合、関連商品として自殺に関する書籍やポリ袋なども表示されていた。」本筋からずれるけど、この部分が興味深い。中立的な(悪意のない)技術が好ましくない事態を導く場合、どう対応するのか。