政府と日銀が待ち望んでいた賃金と物価の好循環が起きそうな予兆が見えてきたが、皮肉にもその循環が強く出過ぎて「落とし穴」にはまり込むリスクも出てきたと筆者は予想する。写真は都内で2021年1月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon) [東京 2日 ロイター] - 人手不足を背景にした今年の賃上げ交渉は、中小企業でも想定を超える大幅なアップが実現しそうな情勢になっているようだ。政府の水際対策緩和で、中国からの訪日客が急増する公算も大きく、宿泊、交通、外食などでの人手不足の深刻化で、人材の奪い合いが広い分野で発生しそうな状況だ。 その結果、政府と日銀が待ち望んでいた賃金と物価の好循環が起きそうな予兆が見えてきたが、皮肉にもその循環が強く出過ぎて「落とし穴」にはまり込むリスクも出てきたと筆者は予想する。1つは人材確保ができずに経営破綻する「人手不足倒産」の急増であり、もう1つは2