Coral Insightsをお読みの方であれば『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』という本を読まれた方も多いのではないかと思います。1984年にダイヤモンド社から出版された本で、旧日本軍における各地域での作戦と、その実行における敗因を探った戦史研究の本ですが、実際には日本社会固有の負の側面をあぶり出した組織論としてよく知られているかと思います。 私は20年近く前に中公新書の新書版で読みましたが、その後も続編として2012年には『失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇』が出たり、やはり2012年にダイジェスト版の『「超」入門 失敗の本質』が出たりしていて、広く読みつがれている本です。新たに出版されるビジネス書で1万部が売れれば上出来という出版の世界で、失敗の本質は毎年1万部単位の増刷がかかると言い、2020年の時点で75万部を超えるロングセラーであると報じられています。 著者グループが研究対象