エレクトロニックミュージック、とりわけ踊ることを目的にしたジャンルのリスナーなら、キックと一体になる“あの”瞬間を味わったことがあるのではないだろうか(キックはバスドラムとも言う)。 単にビートが打ち付けられる衝撃というだけではない。鼓膜と身体がキックドラムのパターンにかみ合う瞬間が存在する。 ドンッとしたキック、鼓動するキック、短く鋭いキック、とどろくキック。キックを聞くと、揺らぐ、跳ねる、頭を振る、両手を突き上げる、といった行為のタイミングを知ることができる。 ではそもそもキックの何がこれほど魅力的なのだろうか? キックはどうやって生まれているのだろうか? そして、自分の制作でキックのインパクトを最大限に引き出すにはどうすればいいのだろうか? そこで今回は、エレクトロニック・キックの歴史と重要ポイントをDavid Abravanelが概説する。 誕生 エレクトロニック・キックは、生楽器
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