心の中に黒く渦巻いている、ぞっとするような怖さを見せてほしい。それが『真田丸』の秀吉役への要望でした。 僕が勉強不足だったのでしょうけれど、どちらかといえば秀吉には明るいイメージしかなかったので、少し驚きました。でも史実では、淀との第一子・鶴松が秀吉の子ではないのではという落書きに怒り狂って門番を処刑したり、姉の子である秀次を切腹に追い込み、家族もろとも斬首したりと、常軌を逸した行動もとっているんですよね。どうしてそんなに、平気で人を殺(あや)めることができるようになってしまったのかと考えています。 お百姓から成り上がったことは自覚しているだろうし、信長を超えたという自負もある反面、馬鹿にされたくないという強い気持ちもあったのだと思います。なかなか想像しにくいのですが、秀吉は、心の底の“暗い部分”がより強いのかなという気もしています。 無邪気な部分は、表向きは屈託なくやろう、と思いながら演
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