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ブックマーク / kentapb.blog27.fc2.com (10)

  • いろいろな変化を楽しむために。薬作り職人のブログ

    新年、あけましておめでとうございます。年も「薬作り職人のブログ」をよろしくお願い致します。 昨年の最後の更新で、今年は「いろいろな変化を楽しめる1年にしていきたい」と書きました。仕事や身の回りにある変化を楽しむためには、どんなことが必要でしょうか。 必要なことは、とにかく変化を把握できる能力をつけることです。まず、物事が変わったのかどうか、変わったのならどこが変わったのか、いつ変わったのか、を把握して、自分がどのような状況にいるのがを理解すること。これが、変化を不安ではなく楽しみに導くための準備として必要です。 そして、変化を把握するためには「枠組み」を頭のなかに仕込んでおく事が大事です。自分が関わるであろう様々なことについて、現状はどのような枠組みになっているのか。この枠組を理解することで、「どこが」「いつ」「どのように」変化したのかを知ることができます。 枠組みを作るのに役立つのは、

  • なんでこの業績はノーベル化学賞なんだろう。薬作り職人のブログ

    今年のノーベル賞週間も終わりました。日では山中教授のノーベル賞受賞に盛り上がりましたが、ネットでは別の意味での盛り上がりがあったようです。 ノーベル化学賞の受賞者に、「生化学者」である米デューク大学のロバート・レフコウィッツ教授と、米スタンフォード大のブライアン・コビルカ教授の二人が選ばれました(参考:細胞の外から中にどうやって情報が伝わるかー2012年度ノーベル化学賞)。この受賞に関して、化学系のブロガーの方から「これって化学賞なの?」というコメントが出たのです。 Chemstationさん ノーベル化学賞は化学者の手に - 化学者のつぶやき 受賞対象となった論文は生命科学における大変重要な発見について述べられており、膜タンパク質という難敵の構造と作用機構を明らかとした人類の偉業であることに疑いの余地はありません。詳しくはこちら。でもなんかポアンカレ予想が、ペレルマンによってトポロジー

  • 細胞の外から中にどうやって情報が伝わるかー2012年度ノーベル化学賞薬作り職人のブログ

    日、2012年度ノーベル化学賞の受賞者が発表されました。受賞したのは、米デューク大学のロバート・レフコウィッツ教授と、米スタンフォード大のブライアン・コビルカ教授の二人です。 受賞内容は「Gタンパク質共役型受容体の研究」。「Gタンパク質共役型受容体の研究」の研究を通じて、細胞外から細胞内への情報伝達がどのように行われるかを解明した功績が評価されての受賞です。 体の中の細胞は、ホルモン、神経伝達物質などの様々な物質によって機能調節を受けます。これは、細胞の外からの命令が細胞内に伝わった結果、細胞機能に関わる仕組みのスイッチが入る(もしくは切れる)ことを意味します。レフコウィッツ教授とコビルカ教授は、このスイッチの構成要素であるGタンパク質共役型受容体の正体を突き詰め、どのようにしてスイッチの切替が行われているのかを解明したのです。 彼らが注目したのは、アドレナリンという生体内ホルモンでした

    tsugo-tsugo
    tsugo-tsugo 2012/10/11
    化学というか、医学・生理学賞ちっくだなとちょっと思った
  • 学会の見方。薬作り職人のブログ

    今週は、京都の学会に行って来ました。今の部署から学会行くのはこれが最後。 普段、学会に行く時には、まず、自分がやってる実験・仕事に関連する演題を最優先で見に行きます。次に、自分の部署に必要となる情報(同僚から頼まれたり、自分で意識したり)を取りに回り、最後に、現在の仕事には関連が低いけど自分が興味がある演題を見に行きます。人から頼まれたものとかは、メモとかきちんと取らないといけないので結構大変です。 今回は、実験生活から離れることが決まり、同僚からも情報取りのリクエストが少なかったことから、自分の興味中心に会場を回ることにしました。そうすると、学会の演題の見方がだいぶ違ってきます。 自分の仕事以外の演題をたくさん見て、それらのつながりを考える。そのために、細かい実験結果を見るよりも、実験結果から研究者の考えや意図を読み取る(もちろん、データの吟味をしないわけではないですが)。あんな考え、こ

    tsugo-tsugo
    tsugo-tsugo 2012/03/20
    ほぼ似たような見方をしております。。。
  • さよなら、実験生活。薬作り職人のブログ

    実験生活との別れは、唐突にやって来ました。朝のメールチェックで見かけた、「所長室に○○時に出頭してください」というシンプルなメール。 年度末のこの時期は、人事異動の季節です。もちろん、研究所も例外ではありません。毎年、数人は研究現場を離れる人事異動が行われます。今まで、多くの人を見送って来ましたが、いよいよ自分なのか、当にそうなのか。。出頭の時刻まで、落ち着かない時間が流れます。 時間になり、所長室に出頭すると、早速、異動の内示をいただきました。 内容は、4月からの企画部門への転出。会社入って十数年、大学時代からだと20年近い実験生活を送って来ました。その実験生活に、ひとまずピリオドを打つということです。 企画部門というのは、会社の戦略を策定したり、新規計画を策定したりするところ。研究所が実働部隊であれば、企画部門は参謀部。足を使って情報を集め、頭を使って情報を整理し策を練る。策士の集

    tsugo-tsugo
    tsugo-tsugo 2012/03/09
    企業だと研究開発のあとに企画ってけっこうよくある。ご活躍をお祈りしております。
  • 製薬会社の得意技ってなんなのか。薬作り職人のブログ

    製薬会社の得意技ってのはなんなのか、と考えることがあります。最終的に薬を世の中に出すというのが製薬会社の使命ですが、そのプロセスの一体どこが製薬会社じゃないとできないことなのか。 例えば、新薬の種を見つける過程は、製薬会社でなくても、大学・ベンチャー企業などが行うことができます。とくに、海外のベンチャー企業に関しては、「資金があり、かつ好きな事が好きなだけできる」という点で、業の製薬会社よりも優れてると思うこともあります。 今年の2月、製薬大手Sanof-aventisが、200億ドル(1.5兆円)で、Genzyme社を買収しました。Genzyme社はバイオテクノロジー技術を得意とする製薬企業です。特に、希少疾患向けのタンパク製剤(酵素欠損が原因である遺伝病についての酵素補充療法)においては、世界をリードする立場にあります。 Sanof-aventisのような大手製薬企業は、とにかく新薬

    tsugo-tsugo
    tsugo-tsugo 2011/12/30
    業界は違えど考えさせられる
  • 仕事を形にして残すこと。薬作り職人のブログ

    私のお仕事には、実験がつきもの。とはいっても、実験操作が終わり、実験から得られたデータの整理が終わったらそれで終了、というわけではもちろんありません。 実際にモノを製造したり売ったりするお仕事ではないので、ただデータ整理をしただけでは何も生み出していないのと同じです。やってきたお仕事を形にするためには、報告書という形にまとめる作業が必要です。 次に類似の実験をするヒトの参考となるように、実験記録を元に、どんな実験をやったのかを分り易くまとめる。どんな結果が得られたのかを簡潔に示し、成功したときはどのような知見が得られたのか、失敗したとしたらどこに問題があったのかを考察する。最後に、次にどのような手を打つかについて提示する。 こうして書かれた報告書は、いわゆる投稿論文のように世の中のヒトの目に触れることはなく、研究所の奥底に眠ることがほとんどです。いつ・どこで・誰が自分が書いている報告書を必

  • 会社を動かす大きな話、をつくろう。薬作り職人のブログ

    研究現場にいると、日々いろいろな測定機械のカタログを目にしたり、メーカーさんとお話をしたりすることがあります。 新製品の話など聞いてると、現在、だましだまし使っている測定器を思い起こし、そろそろ最新機種に鞍替したいな、と思ったりすることは日常茶飯事。もちろん、会社の財布のひもはものすごく硬く、がま口の蓋を開けさせるためには多大な努力が必要になります。とはいえ、どうにもこうにもならなくなる前になんとか手をうたないといけない、という状況。 こういう案件では、偉い人を説得するにはいろいろと策を練ります。とにかく、「なぜ欲しいのか」「なぜ必要なのか」を明確にしなくてはいけません。 通用しないのは、「他社がもう使ってるから、うちもほしい」。理由になっているようで、これは全く理由になっていません。「別に、現状で仕事が回ってるんだから、それでいいじゃない」の一言で終わり。 だから、「今の測定器ではこの実

    tsugo-tsugo
    tsugo-tsugo 2010/11/03
    わかります
  • 「長く連れ添った夫婦」の様な薬薬作り職人のブログ

    多くの薬は、タンパク質にくっつくことで、作用を示します。 「タンパク質にくっつく」と書きましたが、 この「くっつく」というのは、 実は「くっついたりはなれたり」という状態を ずーっと繰り返しているのです。 これを「平衡状態」とよんでいます。 男女の仲だと「長く連れ添った夫婦」ってとこでしょうか。 「くっついたりはなれたりできる」ということは、 多少の環境の変化があっても、 それに応じてバランスよく反応することが出きるので、 とっても都合がいいのです。 もちろん、熱愛してる若いカップルのように、 「一度くっついたらなかなかはなれない」という薬もあります。 こういう薬は、非常に効果が強いとか、 効果が長く続くという利点はあります。 高血圧の薬では、こういうタイプの薬がよく使われます。 ただ、作用強度の微妙なコントロールや、 作用時間の厳密なコントロールが必要となる病気においては、 こういう薬は

  • ケロリンの名前の由来。薬作り職人のブログ

    ケロリン(内外薬品)は、頭痛や歯痛、生理痛を抑えたり、熱を下げるために用いられる解熱鎮痛薬です。ケロリンは、1925年、日で初めてアスピリン(炎症を抑えて熱や痛みをとる)を配合した痛み止めとして発売されました。ケロリンには、アスピリンの他に、漢方で用いられる桂皮(胃粘膜を保護する)と無水カフェイン(頭をすっきりさせる)が含まれています。 ケロリンの名前の由来 ケロリンは、それまで使われていた漢方薬とは違い、飲んですぐ効き目がでて痛みがケロッとなおる、ということから「ケロリン」と命名されたそうです。 ケロリンと言えば、お風呂屋さんの風呂桶の広告で有名です。 この風呂桶が登場したのは、東京オリンピックの前年である昭和38年。この当時、全国にお風呂屋さんは28000件もあり、「銭湯で必ず使う風呂桶に広告を載せれば、大きい広告効果があるだろう」という狙いのもと始まりました。 当時は、ちょうど木の

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