アマゾンの荷物を乗せたトラックは、もはや街の風景の一部になった。新型コロナウィルスの感染拡大は、ネットショッピングを広く生活に浸透させた契機の一つとして、後世の歴史教科書に載ることになるのかもしれない。 アマゾンは、外出自粛などの影響でニーズが急拡大し、一時は物流が悲鳴をあげるほどだったという。そして先日、2020年下半期に、国内の物流拠点を4か所も新設することを発表した。日本におけるビジネスが、さらなる拡大局面にあることを物語っている。 事業分野は幅広く、書籍や文具等の小売だけでなくクラウドサービスなど、地球規模で影響を及ぼしている。それを総称して「アマゾンエフェクト」というが、今回は少し目を凝らして、日本の出版流通に与える影響について考察したい。 「取次」という存在がこれまでの日本の出版流通を担ってきたのは、ご存知の方も多いだろう。「取次」とは、約3000社ある出版社と1万軒以上ある書