堀淳一さんをご存じですか? 堀さんは1972年、『地図のたのしみ』(河出書房新社)で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した、地図エッセイストです。 1960年代から廃線跡歩きを始め、北海道大学物理学部教授を務めながら北海道内はもちろん日本全国、さらにはヨーロッパの地図歩きを続けてきました。 1980年には定年退官を前に職を辞し、札幌に居を構えながら文筆業に専念。その著作の数は、実に100冊以上に上ります。 そんな堀さんが、札幌で出版業を営む小社の依頼に応じて初めて書きおろしてくださったのが、2012年に刊行した『地図の中の札幌』です。企画した小生が執筆のお願いにうかがうと、堀さんはその場で書き下ろしを引き受けてくれました。 約180枚の地図を駆使して札幌の歴史と変遷を綴った本書は、本体6,000円という価格にもかかわらず2,000部を完売。このとき86歳だった堀さんの健在ぶりを、世に知らしめ