待ってました!敬愛する出口治明さんがこの本を出されると聞いて、まずそう思った。『全世界史』などで十二分に楽しませてもらった知的興奮をもう一度味わうために、これほどのテーマはあるまい。 しかし、ご恵送いただいて、しばらくは机の上に飾っていた。もったいないから、ではない。こういった本は一気に読むべきだと考えたからである。出口さんのことだから、一本の道筋にそった論理が展開されているはずだ。その息吹を感じるには、少しずつ読むより、一気読みが正しかろう。まる一日を読書にあてることのできる日を待った。 その間、心配がなかった訳ではない。読み出して難しすぎたら、一日では読み終われないではないか。せっかく待った意味がない。しかしそれは杞憂だった。冒頭の「今、哲学と宗教を学ぶ理由」から、最後に登場するレヴィ=ストロースまで一気に読み通すことができた。 想像をはるかに超えてわかりやすかった。難しい思想が易しく
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