1月2日夕、テレビ各局が「滑走路で爆発」という衝撃的なニュースを一斉に報じ始めた。この時、東京都内にあるJR東海の「新幹線総合指令所」に所属する古屋学・輸送課指令担当課長は直感した。 「かなり大きい事態になる」 すぐに、各現場で働く同僚たちへ連絡を取り始めると、驚きの反応が返ってきた―。 羽田空港の滑走路で起きた日本航空(JAL)機の衝突事故は、乗客乗員が全員無事に脱出し、「奇跡」と世界の称賛を集めた。あれから1カ月半が経過。実は、日本の「空の玄関口」が長時間にわたって機能停止に陥る異常事態の中で、ライバル企業の社員たちも、事故を把握した瞬間からそれぞれが動き始めていたことが分かった。 取り組んだのは乗客の救出と、滑走路閉鎖で影響を受ける人々の支援。「当然のことをしただけです」と取材に答えた当事者たちから、日本の交通インフラを支えるプライドが垣間見えた。(共同通信=宮本寛) ▽「使命」を帯