電波環境協議会(会長=上(かみ)芳夫・電気通信大名誉教授)が6月をめどに新たな指針を医療機関に周知する。現在、病院内では携帯電話の電源を切ることが求められる場合が多い。新ルールでは、医療機器から離れた病室や診察室などでの携帯電話の使用は認める方向だ。 協議会には総務省や厚生労働省、有識者、通信・医療機器業界が参加し、携帯電話の電波が与える影響などを検討している。1997年には「携帯電話の電波が医療機器の誤作動を招くおそれがある」として、手術室などに限らず、診察室や廊下など病院内では電源を切るべきだとの指針をまとめた。指針に従う義務はないものの、現在も多くの医療機関は当時の指針に基づいてルールを作って運用している。 協議会がルールを見直すのは、携帯電話の電波は以前より弱くても、遠くまで届くようになったほか、人工呼吸器や、人工透析などに使う医療機器も、電波の影響を受けにくくする対策が進み、誤作