文化財に被害 合成樹脂原因か 2月18日 5時11分 東京の上野東照宮の建物に描かれた絵や、奈良の元興寺の板絵など、各地の貴重な文化財に、絵の表面がはがれるなどの被害が相次いでいることが、東京文化財研究所の調査で分かりました。絵の修復に長年使われた合成樹脂が原因とみられ、文化財の被害は数百件に上るのではないかとみられています。 問題の合成樹脂は「ポリビニルアルコール」と呼ばれ、文化財の修復現場で、古い絵の表面がはがれるのを防ぐために、塗られていたものです。昭和20年代から広く使われていましたが、数十年たつと劣化することが分かり、合成樹脂を修復に使っていた文化財の被害が各地で相次いで報告されています。このうち建物が重要文化財に指定されている東京の上野東照宮では、壁などに描かれた絵の一部がはがれたり、見えにくくなったりする被害が出ています。また、奈良の元興寺の重要文化財に指定されている「板絵智