政府主催の主権回復記念式典が開かれる4月28日に、超党派の県民大会を開く動きが県議会で浮上している。 安倍政権への配慮から自民党と公明県民会議は参加に難色を示しており、最終的な形は流動的だ。 東京での記念の政府式典と、沖縄での抗議の県民大会−この構図には既視感が伴う。復帰の日の1972年5月15日がそうだった。 戦争で失った領土を外交交渉で取り戻した佐藤栄作首相は、東京での式典で、満面に高揚感を漂わせ、万歳を三唱した。 屋良朝苗知事(その時点では『みなす知事』)は「必ずしもわたしどもの切なる願望がいれられたとはいえないことも事実であります」と苦渋に満ちた表情で語った。 あの日から41年がたつというのに、「記念式典」と「抗議大会」という政府と沖縄の亀裂の構図が再現されようとしているのはなぜなのだろうか。 主権回復を記念して式典を開くというのであれば、政府は、なぜ日本は主権を失った