神戸市で昨年4月22日に架設中の新名神高速道路の橋桁が落下し、10人が死傷した事故からまもなく1年。現場作業員だった20代男性はこの事故で、利き腕の左腕を切断する大けがを負った。失ったはずの左腕に痛みがあるように感じて、眠れない日もある。 中学時代はラグビーの選手。2014年5月、大阪市内の建設会社で働き始めた。「足場とかを組むのが好きだった。形になるのが楽しかった」。自分の会社を立ち上げる夢も描いた。 事故の記憶は無い。首の骨が折れたが、約2週間後に意識を取り戻した。医師から腕の切断を告げられたが実感がなかった。病室で「左腕を動かしたい」と母親に頼んだこともあった。 退院後は人目が気になり、閉じ…