このコラムもシリーズ第3回です。前回の創り方・逆算式でチャレンジされた方はおられたでしょうか。今回は正算式という創り方をお話しましょう。 逆算式は、最後の詰みの部分が確定していて安定感があります。一方、正算式は収束部分が自由なので幅が広いという利点があるのです。 まず図(正算式)を見てください。 【正算式】 本作、実はまだ未完成で詰みません。17歳のとき、端に桂香のある、いわゆる実戦型を作りたくて、直観的にパラパラと駒を配置していったのです。玉方の配置は実戦の終盤のような雰囲気でこう決めました。攻駒の4四竜、3五角、3六歩はなんとなくの"勘"で、持駒もこんな感じかな?というものでした。 さて......妙な感覚ですが、創作しているのではなく、これは詰むのかと考えだしたら、惜しいことに際どく詰まないのです。 あと桂がもう1枚あれば詰むのだけれどと思い、持駒を角銀桂桂桂としてみました。とても信
今回から詰将棋の魅力について、何回かに分けてお話ししましょう、よろしくお付き合いください。と、その前に......。先日、杉本昌隆七段に、とある場所で会いました。話題は当然、弟子の藤井聡太くんの詰将棋に関わることです。 「解く方はいいですが、四段になるまで創作は禁止としていました。しかし、もう(四段に)なってしまったので、解禁してますが...(笑)」 「そうですか、解禁!を。う~ん、それはとても危険です。創作は楽しすぎる魔力ですから...即刻、また禁止令を出すべきです。将棋に影響しますよ」 「魔力ですか? 禁止令をまた出すといっても、いつまでがいいでしょう?」 藤井くんの特別記念扇子にある詰将棋は(写真)、小学5年生の時に創作したものだといいます。内容はすでに一級品で、合駒あり、伏線あり、中合ありと見せ場が詰まった中編で、迸(ほとばし)る才能が窺えます。このまま進めばとてつもない詰将棋作家
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