10月、NHK杯将棋トーナメントで藤井三冠(当時)を破り、対戦成績を3勝1敗とした深浦九段。その周到な戦略を「文藝春秋」1月号(12月10日発売)で語った。 「私が藤井さんに勝てた理由は一言で言えます。それは、『藤井さんが強いから』」 いったいどういうことなのか。深浦九段に解説してもらおう。 まず、深浦九段は自分のフィールドに引き込む戦略を練った。 「この対局では、私は主導権を握りやすい先手番だったので、自分が得意な『雁木(がんぎ)』と呼ばれる戦法をぶつけてみようと決めました」 この「雁木」は「藤井さんの得意な型ではありません」という。 次にAIで徹底的に事前研究をしたという。