338回 神田裕子著『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』を読んでみた 先週の今頃にX上で話題になっていた神田裕子氏の『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』(三笠書房)。実際に出版される前から、表紙のイラストや公開された見出し、オビのコピーから、発達障害当事者・精神疾患当事者に対する差別につながる本なのではないかと批判をうけ、出版差し止めのネット署名運動も起こった。 この本の話題をしている人もずいぶん減っており、興味を持っている人もあまりいないかもしれないが、どういう本なのか気になっていてしょうがなかったので実際に読んでみることにした。 まず、炎上した理由のおさらいをしてみよう。 〇職場にいる困った人のことを「困ったさん」と称し、それをタイプ分けするのに実際の発達障害や精神疾患の名称を使っていることがそういった障害・疾患を持つ人への差別に繋がったり、医療倫理に欠けているのではないか
