「山茶花、紅葉、緑葉」 ( 『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 2 からの続き) ・外傷性記憶を“ストーリー”に組み込み、新しい人生観を見出す 上で述べたように、外傷的出来事は“切り離された記憶”であり、それは意識に統合されていないからこそ、個人の言動の一貫性を損なう異質物として意識に侵入し個人を支配します。治療においては、この外傷の記憶にできるだけ近づいていくことが必要になります。 精神分析は元々過去の“隠された”記憶を辿る作業ですが、外傷性記憶は、それが他者による“搾取”という体験にフォーカスしているところに特徴があります。それはつねに、自分より強者である保護者・配偶者・政治家・不良グループなどによって自分の意思・期待が打ち砕かれた経験の記憶です。それにより患者は“保護されている”という感覚・外界に対する基本的信頼感を著しく失い、自分の意思で行動する能動性を奪われていま
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