・古代中国の虚像と実像 「二千年以上も昔の話であるから、こうした誤解は放っておいてもたいした害はないのだろうが、私は非科学的なものが嫌いなので、あえて虚像を指摘し、それを正す文章を書くことにした。 夢のない話を延々とするので、「現実的な話は聞きたくない」という人は、本書を読まないことをお薦めしたい。」 実にむかつく本である。 ちょっと著者を張り倒したくなる。 だが、古代中国好きには面白いことが書いてあるため、読み進めないわけにもいかない。 夏王朝はなかった。 紂王は酒池肉林をしなかった。 『孫子』は孫子がつくっていない。 焚書はあったが坑儒はなかった。 徐福は日本に来なかった。 四面楚歌も虞美人も作り話だ。 孔子の論語は当時から理想論だった 数々の物語を生み出した「古代のロマン」や、有難い「人生の指針」の根拠が、事実ではなくて後世の作り話やウソだったことが暴かれていく。 史料からの推定だけ