システムがひとたびリリースされた後も、性能問題のリスクは常に残っている。そうした芽を早く摘み取るためには、性能監視に加えて分析が欠かせない。今回はキャパシティプランニングの基本的な考え方を紹介する。 キャパシティプランニングの背景 第4回「失敗事例に学ぶ運用性能品質向上策」では、運用工程でのポイントの1つとして、性能監視と診断の大切さを紹介しました。今回は、安定運用に求められるシステム処理能力を確保するという観点に着目して、一歩掘り下げて考えていきます。 システムの最大処理能力は、設計時にシステム構成を確定した段階で決まっています。第3回「ハード性能以上の性能は出ないんです」では、業務要件からIT基盤要件を求め、システム構成を決定するプロセスを紹介しました。そして、それらは仮置きした前提条件など不確定な要素を含んでいることを説明しました。 実際のシステムでは、すべての前提条件が満たされてい