シューベルトの演奏ノート Schubert: Symphony No.9 in C major, "Great" 作品について このCDについて シューベルトのグレート・ハ長調交響曲は初期ロマン派期の最高傑作の一つです。ハイドン、モーツァルト、ベートーベンの古典派交響曲の完全な後継者であると同時に、それは驚くほど独創的でもあります。田園交響曲の伝統にのっとった喜びの歓呼のなかで、このさき中期から後期のロマン派を通して聴くことのできる、ロマン的な諦念の新しい和声が響いているのです。 この曲は、彼が(そして私たちが)シューベルトの成熟期の、もし彼が十分長生きしていれば作曲したであろう、交響曲と(間違いなく)オペラの傑作群の最初の作品とみなされるものです。長年にわたる歌曲とピアノ曲の栄光の後で、室内楽と小交響曲(すべてほぼ私的な演奏会のためのもの)の時期を経て、「大交響曲」の時代が訪れました。大