【社会部オンデマンド】増税で密造たばこ横行の懸念は? 密輸増加のリスクにも目を向ける必要 (1/3ページ) 「たばこが増税される見通しのようですが、禁酒法下の米国でかつて、マフィアが大きな利益を得ていたように、増税の影響で廉価な密造たばこが横行する懸念はないのでしょうか。また、たばこの自家生産はできるのでしょうか」=長崎市、深堀循哉さん(55)生産には厳重な規制 政府は昨年末に閣議決定した平成22年度税制改正大綱で、今年10月からたばこ税を1本当たり3・5円引き上げる方針を示した。たばこ1箱の値段では、現行の標準的な価格300円が400円ほどに値上がりする見通しとなっている。 そのたばこをめぐり、日本の「水際」で不気味な動きが出始めている。全国の税関で相次いで密造たばこが発見され、輸入が差し止められたのだ。20年中の差し止め件数は、たばこと喫煙用具で計9万8611点。前年の3619点から約
おもむろに火をつけると、松原幸三(まつばら・こうぞう)はひとくち目を大きく吸い込んだ。 だが、煙は肺までは入れず、口内に留めるのみで、舌で押し出すかのようにゆっくりと吐き出してゆく。たったひとくち、口に含んだだけで松原は煙草を揉み消した。そして、次の煙草に手を伸ばす。 松原の前には、七箱の煙草が置かれていた。 パッケージには全くデザインが入っていない。真っ白な無地の箱には、ただ“ロット1”“ロット2”と通し番号が印字されているだけだった。 ロット2と書かれたパッケージの封を切ると、一本目と同じようにひとくち目を大きく吸い込む。ふむ、と呟いて、今度はふたくち目を肺まで吸い込んだ。そしてまたすぐに揉み消す。ロット7まで用意された煙草を同じ要領で吸い終えると、松原は卓上に並べた七箱のうち二箱を選び出し、それぞれのパッケージから一本ずつを抜き取ってフィルターに通し番号を書き込んだ。 その二本を手の
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