「137 - 物理学者パウリの錬金術・数秘術・ユング心理学をめぐる生涯 」 (Amazon.com) 20世紀前半の理論物理学をつくった知的巨人の一人、ヴォルフガング・パウリは57歳のとき、チューリヒ工科大学の講義中に突如病気で倒れる。すい臓がんだった。赤十字病院に入院した彼を見舞った友人に、パウリはたずねる。病室の番号に気づいたか、と。 「137号室だ!」パウリはうめくように言った。「わたしがここから生きて外に出ることは絶対にない。」(p.424) 137という数字は、「微細構造定数」(現代物理学に現れる主要な定数のひとつ)の逆数である。もし神なる主からどんな質問をしてもいいと言われたら、まっさきに聞いてみたいのは「なぜ 1/137 なのか?」だとパウリは述べたことがある。微細構造定数は、電子の電荷、真空中の光速、プランク定数の三つから導かれる無次元数で、パウリの師マックス・ボルンいわく
クラシック音楽の中には多くの「物語」を持った作品があります。モーツァルトの「レクイエム」やベートーヴェンの「第九」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」などにまつわるエピソードは、誰もがすぐに思い当たるのではないでしょうか。そんな数かぎりないエピソードのなかでも、メシアンの「世の終わりの為の四重奏曲」が持つ逸話は、特に有名なもののひとつに挙げられます。 「世の終わりの為の四重奏曲 Quatuor pour la fin du Temps」(1941) は、フランスの作曲家オリヴィエ・メシアン(1908−1992)の代表作であるとともに、20世紀の室内楽においても最もポピュラーな作品のひとつと言えるでしょう。敬虔なカトリックだったメシアンが、ヨハネの黙示録に想を得て作曲した作品です。編成はヴァイオリン・クラリネット・チェロ・ピアノで、作品を構成する8つの楽章のうち、4曲が四重奏のために書かれ、残
無線電信の実用化に成功したマルコーニは翌1896年にイギリスでマルコーニ無線会社を設立した。ラジオ無線産業化のはじまりである。 メディアの生成―アメリカ・ラジオの動態史 作者: 水越伸出版社/メーカー: 同文舘出版発売日: 1993/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る このころから1919年ごろまでのラジオ無線は「放送」ではなかった。それは電話と同じような双方向のコミュニケーション・メディアで、しかもパーソナルな会話ではなく、電波が届く範囲内でチューニングできていた人びとがみなおしゃべりに加わることができた。水越は「それはちょうど、1980年代なかばまでのパソコン通信のように、マニアたちの好奇心と想像力によって成り立っていた」と書いている。 本書のメッセージのひとつは、終章に示された以下のものだろう。 ここで注目すべきなのは、ひとたび
名刺やチラシなどの印刷通販を手掛けるサービス「ラクスル」が絶好調だ。2013年から本格展開したサービスは、毎月の注文件数は前月比3割以上のペースで増え、今期の売り上げは10億円程度を見込む。市場規模は6兆円と大きいながらも、大手2社を除いた市場を3万もの中小企業が奪い合う印刷業界の構図にいびつさを感じたという代表取締役の松本恭攝氏。急成長の秘密は供給の「仮想化」だ。 ――「印刷通販サービス」という形でビジネスを始めた理由は 図書関連の印刷の需要は減っていますが、印刷業界全体の市場規模は6兆円と大きい。町を歩くとたくさんティッシュを配っているし、ポストを開けるとチラシが投函(とうかん)されています。新聞も部数は減っていますが、間に挟まれているチラシは多い。ネット化は進んでいても、ネット企業ですら名刺を作っているので、紙の需要は確実にあるんです。 でも、印刷のような装置産業は非常にお金がかかり
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く