最相葉月さん、やっぱりうまい。いまさらながら感じ入った。『絶対音感』以来、大ファンなのである。こういうのは言い続けているといいことがある。一年半ほど前、元阪大総長である鷲田清一先生が最相さんと対談された時、ファンであることをご存じであった鷲田先生が、その後の食事に誘ってくださった。(対談録はこちら:pdf) 対談は『わが心の町 大阪君のこと』というエッセイの話からはじめられた。無名であったといっていいころの堺雅人と、いまはどうしているのか真中瞳で『ココニイルコト』という映画になった名エッセイである。次に鷲田先生が尋ねられたのが、どうして、絶対音感や、東大応援団、青いバラ、生命倫理、星新一など、脈絡がないほどにいろいろなテーマ、それも、誰も論じていないテーマに挑んでいかれるのか、ということであった。 『私自分の仕事をそんな風に褒められることが無かったので、本当にすごくここに座りづらいんですけ