朝日新聞、萎縮するな メディアが角度を捨てたら民主主義は成立しない 下條信輔 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授 朝日新聞の「慰安婦」報道問題や、池上彰氏のコラム掲載中止問題を巡る第三者委員会報告が出た。朝日はその詳しい内容を12月23日付朝刊で公表した。遅きに失したとは言え、一面トップを含む12ページにわたる大特集で、今回は勇気をふるって決行した感がある。 この間、他メディアや世論の朝日たたきはヒステリックで、心なき中傷や脅迫もあったらしい。「他のメディアだって多くが朝日の尻馬に乗って、同様の報道をしていたくせに」と反批判する声もあったが、多勢に無勢でかき消された。そうした状況の中で批判に正面から向き合ったことは、(危機管理上も今やこれしかオプションがなかったとはいえ)敬意に値する 。 だが同時に、遅きに失したことによって、千載一遇のチャンスを逸したのでは、とも感