モロッコは、その歴史的領有権を主張する西サハラのポリサリオ戦線を支援したという理由で、イランと外交関係を断絶したしかし、そこにはイラン包囲網のために、スンニ派諸国の結束を強めたいサウジアラビアと米国の働きかけがあったサウジアラビアの求心力から逃れようとしてきたモロッコが、領土問題という死活的な利益で「優遇」されて米国―サウジに傾いたことは、中東情勢の緊迫を象徴する 5月1日、モロッコ政府はイランとの断交を宣言。モロッコからの独立を求める西サハラのポリサリオ戦線にイランが武器を供与しているという理由でした。 しかし、突然の断交には、より広範な中東情勢の影響を見出せます。とりわけ、イランと敵対するサウジアラビアや米国による「囲い込み」が、スンニ派諸国のなかでも穏健派とみられていたモロッコを「陥落」させたことは、緊迫する中東情勢を象徴するといえます。 モロッコとイラン モロッコとイランの断交は今
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