日本はイラク戦争検証を議論せよ リアリストからの提言ー同盟外交のジレンマに正面から立ち向かえ 渡邊啓貴 帝京大学教授、東京外国語大学名誉教授(ヨーロッパ政治外交、国際関係論) この7月、英政府独立調査委員会が2003年のイラク戦争へのイギリスの参戦の経緯に関する報告書を公開した。結論は、「イギリスは武装解除に向けた平和手段を尽くさないままイラク戦争に参加した。その軍事行動は最終手段ではなかった」というものである。 当時首相であったブレア氏は自らの判断の非を認めた。筆者はこの件については、我が国でも改めてきちんとした議論を行うべきだと提案したい。イラク戦争をめぐる重要な時期に在米していた経験からもそのことを痛切に望む。その理由は二つある。 その第一は、日本における外交問題議論のあり方である。 当時、「親米か(戦争支持)、反米か(戦争反対)」という単純な二者択一の中で、前者こそ国益にかなってい
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