ロカルノ国際映画祭で金豹賞を含む4冠を受賞した、小林監督 (c)FOTOFESTIVAL / MARCO ABRAM “映画祭男”といえば北野武監督が有名だが、もう1人“小林政広”という監督の名前はご存じだろうか? カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭に次ぐ格式を持つ、スイスのロカルノ映画祭にて、8月、新作『愛の予感』が金豹賞(グランプリ)を含む4冠を受賞。監督自ら主演を務め、台詞は冒頭と終わりだけという非常にユニークなスタイルのインディペンデント作品だ。監督演じる中年男が、生卵かけご飯を黙々と食べる日常が繰り返し映し出される。 彼のフィルモグラフィーを振り返ると、カンヌ映画祭に98年『海賊版=BOOTLEG FILM』(ある視点部門)、00年『殺し』(監督週間)、01年『歩く、人』(ある視点部門)、05年『バッシング』(コンペ部門)と正式出品が続き、 03年の『女理髪師の恋』もロカ