2Dの豊かな表現力を忘れて子供だましの映画が量産されかねない。映像体験を進化させる方法は別にある── ロジャー・エバート(シカゴ・サンタイムズ紙映画評論家) 映画は2Dで十分。「もう1つの次元」は必要ない。ハリウッドが雪崩を打って3Dに走るのは自殺行為だ。飛び出す映像は観客の集中を妨げる場合があり、人によっては吐き気や頭痛の原因になる。映画館に高価な投影機材を売り付け、観客から上乗せ料金をふんだくろうとする狙いが透けて見える。 3D映像は標準的な2Dより明らかに暗い。シリアスな映画には不向き。監督の「撮りたい映画を撮る自由」を縛る。R指定(17歳未満は保護者同伴)などの大人向け映画の観客には、特別料金に見合う満足感はまず与えてくれない。 マーケティングの観点から見れば、私の考えが「異端」であることは承知の上だ。何しろ3Dはハリウッドに史上最大のドル箱商品をもたらし(『アバター』の世