産業技術総合研究所は高エネルギー加速器研究機構などと共同で、新たなインクジェット印刷法を用いて有機半導体単結晶薄膜をシート上に作製する技術の開発に成功したとのこと。研究成果は7月14日の科学誌「Nature」電子版に掲載された(プレスリリース、 Natureの記事要約、 毎日jpの記事)。 今回開発された新手法は「ダブルショットインクジェット印刷法」と呼ばれ、有機半導体を含む半導体インクと結晶化インクを交互に印刷することにより、分子レベルで平たんな有機半導体単結晶薄膜を作製するというもの。この技術により作製した有機TFTはアモルファスシリコンTFTを大幅に超える性能を示したとのこと。従来の印刷法で作製した有機TFTの100倍以上の性能で、有機TFTとしては世界最高性能だという。プラスチックシート上に印刷できるため、軽く、薄く、壊れにくいフレキシブルデバイスの実現に向けた研究開発の加速が期待