『DEBACLE PATH 別冊2』は非常に感化されるもので、この別冊の核といえる「パンク本座談会」(「現場」からの『パンクの系譜学』批判を中心に)を特におもしろく読んだ。ここで取り上げられている川上幸之介『パンクの系譜学』(2024年、書肆侃侃房)については私もモヤモヤと不満を抱えながら読んだので、その不満がこの対談では言語化されて、読むことでツボに命中、スッキリと浄化されたような感覚がある。アカデミアから捉えられた「パンク」に対して、真っ向から、現場のパンクスたちによって、反論が繰り広げられる。痛快である。とくに、「アマチュアリズム」や「反知性主義」(権威を常に疑うこと)、「パンク文化のアカデミズムからの搾取」について言語化されていたのが見事だった。経験が重要であるパンクにおいて、フィールドワークを重視しない研究は、もちろんズレが生じるだろう。うるさい音の鳴るベニューで繰り広げられてい