今回の震災では、ボランティア活動においてもインターネットや携帯電話などの IT ツールが活用された点に注目したい。名前も知らぬ人同士がネットを通じてつながり、被災地の支援に当たった。 東日本大震災による甚大な被害を受けた地域の 1 つに、宮城県気仙沼市がある。津波による気仙沼市の浸水面積は全市の 5.6%。都市計画区域ならば 20.5% が浸水した。特に住宅や商店、工場など集中する中心地域の被害が大きく、全人口約 74000 人の 1.1% に当たる 800 人以上が亡くなられている。 2012 年 2 月頭、復興が進む気仙沼市の復興商店街で、筆者らは 1 人の女性にお話をうかがうことができた。彼女は、2011 年 3 月から 9 ヶ月間に渡って、気仙沼を始めとする被災地のためにボランティア活動を行ってきた。だが、実は彼女が気仙沼を訪れたのは、この時が最初だった。活動のすべては、遠く離れた